袖ヶ浦スタジアムの月例レースでは4月のレースからROAR21.5Tでのレースとなり自分もその規定に則り走らせていました.
去年の12月の記事にもROAR規定のモータの準備をあげていますね
実際に購入して走らせたフィーリングとしては従来のJMRCA17.5T規定のものより後半のパワーダウンを感じる傾向にあります.
スペックの違いとしては
・T数ダウンによる出力低下(トルクはやや向上するはず)
・積厚減少によるトルク低下
・抵抗値減少
・磁石サイズダウン
抵抗値が減っているので常温状態では電流さえ流れれば磁界が発生し出力が出るものの,コイルが高温になると抵抗値が増加し電流が流れず磁界が減少しパワーダウンといった理由でしょうか
更に磁石の内径も大きくなり磁石体積も減っているのでさらに温度に対しての感度があるはず.
これは物理現象でレギュレーションを守ったモータであればどのメーカーでも程度の差はあるにせよ同様の傾向かと思われます.
ということで袖ヶ浦スタジアムを21.5Tで走らせたデータからROAR21.5TをJMAG-expressで解析して適切なギア比や電気進角を確認してみようと思います.
先ずはJMAG-Expressでモータをモデリング
JMRCAのものとティース部形状が若干異なりティースの幅が広がっていました.ティース形状はモータの特性を決める要の部分になるのでいろんなメーカのを確認して解析してみたいですね
ひとまずこれもモデルに反映します.
色々設定をして効率マップを出力
本家のJMAG-Designerよりも融通は利かないけど工数は圧倒的に短く効率マップまでたどり着けます
正直ここまでは解析してもあまりうれしいことはないですが,SmartLoggerで実測した走行データを重ね合わせてみます
プロットがあるところが実際に袖スタを走らせた時の動作点です
実車の開発をするとこういうグラフをよく見ると思います(WTLCやJC08とか)同じような評価でこのグラフを見てみると
回転頻度が高いところは比較的効率のいいポイントで走っています.ギア比は5.5なんですが割といいところみたいですね
ただ高回転側のプロットは効率が40%台で走っていて60%は熱として捨てています
ホームストレートやコース右側セクションの比較的速度が乗るところの動作点ですね
ギア比的にもいいところなのでここは仕方ないので冷却で頑張るしかないと思います.
思ったより効率が悪いのは中速からの緩減速時
減速Gが出ると比較的効率良いところに動作点が移動しますが,スロットルをオフにしただけみたいなところだとあんまり効率よくないですね
この辺りは実はドラッグブレーキを入れておいた方がモータ温度が下がるのか?これは今度検証してみようと思います.
さて周回数の後半にもなるとモータ温度は結構上昇しています
その時のモータのトルクー回転数は以下のようになります
2周目と5分後の17周目の比較
縦軸のトルクはもちろん減っていますが思ったような差ではない…むしろタイヤやほかの因子も入っているような気がする明確に異なるのは横軸で高回転域ですね
縦軸電圧、横軸LAP数のトレンドデータ
この辺りは弱め界磁制御ができれば回避できないかな~と思うんですがね.レギュレーションでもこの辺りの規定無いわけですし
ESCのマイコンも32bitらしいのでROM次第では実装できないかなと
ESCの制御コードの開発になるのでまだひとまず妄想ということで
今回のJMAG-Expressで面白いマップもエクスポートできました.
最大出力制御時の電流進角マップも出すことができます
進角マップ
ふむふむ15krpm程度までは進角20°ぐらいでそこから徐々に進角を増やすと最大出力なのねこれはすぐにできるので次回走行時に試してみようと思います.
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