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2019年5月4日土曜日

UREEダンパーユニットテスト


タイトルにもある通りUREEダンパーユニットをR4に適用したテストを実施してみました.
実はこの件はUREE代表から去年の全日本辺りに依頼されていましたがなかなか時間が取れず実施できていませんでした.

ホントはデータロガーを積んでいろんなデータを取得できればよかったんですが
先ずは本当に効果があるのか?を見極めてから次のステップを決めたいと思いラップタイムと操作フィーリングだけでの判断となります.

今のR4やエンジンツーリングカーのアッパーデッキはフロントベルトが通る辺りが丸々肉抜きされていてこの部分の剛性を落としシャシーの捻じれポイントを制御することでフロント/リアのグリップ感を稼ぐ思想です.ただしこれはスポンジタイヤを装着する場合

ゴムタイヤ,スポンジタイヤでも特性によってはフロントバルクのヨレ感を感じることがありました.
以前のアッパーデッキは左右が繋がったアッパーデッキで低グリップの時は繋がったタイプ,ハイグリップでは現行タイプといったセッティングパーツとして使い分けをしたこともありました.
エンジンカーのアッパーデッキ交換は時間がかかり,最近は現行タイプのアッパーデッキをベースにダンパーオイル等で近い特性にもっていくセッティングをするようになりました.

もちろん過去にこんなことも考えました
タイロッドでつないでみる 写真で見ると日付は2016年の2月でした
この日の記事にTRY結果が乗ってました.

ほぼ剛体のタイロッドとカーボンの板のアッパーデッキではやはり特性の違いが出ていて,ただ何故違う?というのは当時よくわからないという結果でした.

というところから今回のダンパーユニットのTRY結果です.

先ずはノーマル状態でコースインし
5分ほど走らせたあとタイヤやエンジンの熱が冷めないうちにアッパーデッキとダンパーを共締めして装着します.

先ず感じたのが①ブレーキング→②ブレーキを緩めつつステアリング操作→③ステアリングを深く切り込み旋回
というドライビング順での②でのしっかりとラインをトレースできることを強く感じました.
タイロッドを装着した時はギクシャク感を感じるのも②のタイミングでしたが
ダンパーユニットを装着した際には自然なフィーリングでした.

タイロッドとダンパユニットの違いの仮説としては
コーナリング中に発生するフロントタイヤのコーナリングフォースの反力はサスアームを通ってバルクのある車体に伝わるのでその際に剛性変化があってコーナリングフィールに違いが出たのが今回の変化の効果だと思いますが
ギクシャク感の正体はブレーキングでピッチングが起こった際のバルク変形の差ではないかと仮説
バルク周りににかかる荷重を整理してみた(寸法はざっくり,サスボール等は考慮せず)

ブレーキングした時に前後荷重移動でフロントタイヤの自重Wが荷重移動で+ΔWとなったときにホイールにキャンバー方向へモーメントが発生しそれがアッパーアームを引っ張りバルクを開く方向に変形させるはず
タイロッドであるとそのバルクが拘束されていて変形を許さず,ダンパーユニットでは抵抗があるものの拘束はされておらず変形できる.
この差でブレーキング時のギクシャク感が解消したんでしょう.

この先本当に効果検証をするのであれば
データロガーを積んでステアリング操作とヨーレイトゲインを比較すれば結果がでそうですね

ステアリング初期操舵のフィーリングが向上しているのでフロントタイヤの持ちがよくなりそうですが今回のテストではロングランは見れておらず
とりあえず1周のタイムで比較です.

5分間の走行をそれぞれ2日づつ走ったラップタイムをヒストグラムに整理してみました.
ダンパー装着のほうがヒストグラムが2山になってしまいましたが平均値を見ると1周当たり0.1秒の効果があるみたい
また2山あるとはいえラップタイムのバラつきも小さくなっています.

この後セッティングの最適化ということでターンインでの曲がりがやや強く
失速感があるところからダンパーを半穴寝かせてその日のベストラップである17秒フラットとなりました.

アッパーデッキを変更せずに簡単にステアリングフィールを変えられるのでこの部品は効果ありだと思いました
現状であると京商カップには使えない部品ではありますが
ゴムタイヤを使うHRFのレースや,京商グランプリ等で試してみるのはいかがでしょうか

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