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2023年3月26日日曜日

車高ゲージの開発

こんなものを作ってみました

最近モーターを制御してみようプロジェクトをひっそりと進めているのですが

自分はコーディングスキルが全くなく,モーターの回る理論がわかってもゲートドライバにどのような信号を与えればよいのか分かっていない状況でした.

もちろん最近はオートコーディングやChatGPTがコード生成してくれる便利な機能がたくさんあります.

ただ基本のキが分かっていないのにそういった便利な道具を使うのは性に合ってないのでarduinoを題材に電子工作でコーディングスキルを磨いてみようという動機から始めてみました.


電子工作で作ってみたいなーと思っていたのはこんな感じのセッティングボード

車高は赤外線センサの非接触のもの
タイヤの下に独立した板を配置してその板はロードセルで支持
この構造でまず車高は置くだけで、しかもボディが付いていても測定できる
かつ4輪荷重を同時に測れていることでコーナーウェイトも測定できる

セッティングボードの前で正座スタイルでツイーク調整で接地荷重を合わせていますがこういうツールでもっと楽にできないかなと
しかもツイーク調整の後,車高がズレたりすることもあるので同時に車高が分かればセッティング工数も減りそう


ただこれをやるには
・arduinoでLCDに結果を表示させるコードの履修
・arduinoでロードセル、測距センサのアナログ値を読み取るコードの履修
・割と精度が求められるセッティングボードの加工
と結構手間がかかりそう

そんな中、京商のチームメイトのK上氏のツイートからヒントをもらいました
なるほど、とりあえず車高だけ測ってみようと

とりあえず簡単なものを作ってみてスキルをあげつつ
最終的な目標の便利デジタルセッティングボードの開発に移るような段階を踏んだ開発にしてみようと思います.


ということでひとまず手持ちのOPTION No.1製の車高ゲージを持っていたのでこれを改造してみます

筐体は3Dプリンタで自作

構造としてはもともと目盛りのついていた左側の高さを可変抵抗で読み取るものとしました.

表示は数字だけでいいと思ったので7セグLEDにしてみます.


7セグLEDを光らせるのにあんまり工数かけたくなかったので
このモジュールを選択
複数桁の配線やダイナミック点灯のコードなど面倒なことをせずに豊富なライブラリとI2C通信で表示させる数字を表示できます.

Githubでライブラリが公開されているのでarduinoIDEにインストールして使用しました.

書いたコードはこんな感じ
可変抵抗はA0ポートに接続してグローバル変数に定義しています.

#include "HT16K33.h"
#include "wire.h"
#include "Arduino.h"
#include "math.h"

///////////////////////////////////////////////
//変数定義
float INPUT_PIN = A0;
float VOLUME;
float Slidedistance;
///////////////////////////////////////////////

HT16K33 seg(0x70);

void setup() {
  // put your setup code here, to run once:
  Serial.begin(115200);   //I2C通信レート定義
  seg.begin();
  seg.displayOn();
  seg.brightness(5);   //7セグLED輝度設定
  seg.displayClear();
  Wire.setClock(100000);

}

void loop() {
  // put your main code here, to run repeatedly:
  VOLUME = analogRead(INPUT_PIN);

  Slidedistance = VOLUME * 0.0194 + 3.0429 - 3.55;  //測定値1mm当たりの可変抵抗変位をCADから算出

  Serial.print("VOLUME: ");
  Serial.println(Slidedistance);


  seg.displayFloat(Slidedistance);

  delay(500); //数値更新頻度

}

このコードでの動作確認はこんな感じ


たった37行で動作するのは楽ちんでいいですね


ただSlidedistanceを定義しているところが苦しい感じ
3Dプリンタをモデリングしたときに測定値1mm当たりの可変抵抗が動く距離を計算してコードの中に入れてみましたが,これだと筐体のガタ等で値がバラついてしまいます.

なのでA1ポートにはタクトスイッチを取り付けているので
5mmの基準高さを測ったときに校正し,相対値として測れるコードにアップデート予定

あと数字がパラパラ変わって見づらいので平均値をとるようなコードに一緒に変更予定


とりあえずちゃんと回路が組みあがって動作したのがうれしいのが今日の記事
電子工作が新しい趣味になりそう



ただやっぱりこの構造だと繰り返し精度に難ありな感じ
やっぱり非接触かな~

2023年3月1日水曜日

しらかば2in1 RallyFestivalレポート ~マスダンパーの開発~

 


今年も真冬の恒例行事にもなっているしらかば2in1主催のスノーラリーに行ってきました!

去年の記事では3Dプリンター製のガルアームサスアームを採用してレースに備えていましたがコロナの影響でレースは開催されず

ただスカイホビーで走らせた結果としては従来の真っすぐなサスアームに対してギャップ走破性はかなり向上していました

でもやっぱりギャップを受け止めきれずストレートではピョコピョコ跳ねてしまいます

これはロマン重視のラリーカーには実車感があんまり出てない動きだし

スピードとしてもストレートで跳ねた瞬間はタイヤが地面から離れてしまうので加速の効率は悪くなってしまいます.

普段通っているZENのF1カーにはバッテリーを可動体としたマスダンパーを装着されたF1が良く走っているのでこれをインスパイアしてラリーカーにもマスダンパー適用を検討してみました

詳細については”すだぴょん”氏に動画にしてもらいました!
23年3月1日時点で再生回数が1万回を超える動画になりすだぴょん氏にも褒められてしまいましたw


構造としては動画にある通りなんですがアッパーデッキ上に平行リンクを組んで,スプリングで支える構造としました

ただスプリングを付けるだけではマウントしづらいのでダンパーケースを使ってマウントする構造を取りました


製作は割と手間がかかっていて,リンクはボールエンドと板厚2mmのカーボンプレート

バッテリーは板厚0.8mmのカーボンプレートで作っています

手間がかかることは目に見えているので前もって可動範囲やバネレートは事前に検討してから製作に移りました


先ずはマスダンパーとはどのように考えるか、ですが

wikipediaには動吸振器の項で記事になっています

いろんな数式が書いていますが根底の理論としては

”車体を持ち上げる(落下する)力と反対方向の力を掛けて振動を防ぐ”

というものとなります.

このことを念頭に置いておけば数式が示す意味も理解しやすくなります



マスダンパーオモリ変位量:Xa[mm]
車体変位量:Xm[mm]
車体加振力:f(t)[N]
マスダンパーバネレート:ka[N/mm]
車体バネレート:km[N/mm]
車体ダンピング:ζm[N・m/s]
上記のようにラジコンカーを簡単な形状にモデリングします
難しい言葉で書くと2自由度強制振動系となります
先ほど青字で書いたことを上図でいうとf(t)と釣り合う力をmaを用いて出すという考えです

(t)とか出てくると何のこと!?となってしまいますが時間の関数なのでエクセルで0sec,0.001sec,0.002secといったようにオートフィルしていけば計算できるので身構えなくても大丈夫です

今回走らせる想定の路面をモデル化しました
これを計算すると18Hzのsin波となります.1秒進む間に18山のギャップを踏むイメージですね.これは過去の動画を見ながらギャップの数を数えたら多くともこんな感じでした

20mmというのは正直エイヤと出しました.タイヤの1/3の径より大きいと超えられないと聞いたこともあるし,今のラリーカーの車高は20mm程度なのでひとまずこの値で置いています

さてwikiの記事によるとマスダンパーの固有振動数(ωa)と路面の周波数(Ω)が同じときに逆位相でマスダンパーが動くと記載されています

マスダンパーの固有振動数は
この数式で示せる
電卓でもできますね.maは1Sサイズリポバッテリーの150gでその時,ωa=Ωが成り立つkaは1.8N/mmとなります.普段使うスプリングの柔らかいもので代用できそうです

kaを求めたらxa(車体の変位)がゼロとなる変数を下記式を使って求めてみます


前述のようにtの関数となるのでエクセルのオートフィルを用いて計算します.
計算結果は下記グラフのようになりました

マスダンパーのストロークと支えるバネレートを求めました
今回の1Sサイズバッテリーは150gなので必要なストローク量は約3mm,スプリングレートは1.8N/mmとなります.

グラフにある通りマスが小さいと長いストロークで柔らかいスプリング
マスが重いと短いストロークで固いスプリングになるので
じゃあ20gぐらいのオモリを20mmぐらい動かした方が簡易な構造でいいじゃん!となりますが新たな指標として質量比を考慮する必要があります
マスダンパー重量から車重で割った質量比μの関係は下記図になります

wikipediaより
今回はバッテリー150gに対して車重は1350g (総重量は1500g)なので質量比μは0.11
上図でいうと赤プロットに近いところになります
X軸に注目するとΩ/ωa=1の時振動を完全に消失でき同調状態になります.ただΩ/ωa=1の両隣に進むと振幅であるY軸が大きくなってしまう

そして質量比が大きいほど振幅の上昇度合いが少ないので,大きい値をとる方がロバスト性が高いと言えます 

Ωは正直写真からカウントした数になるので毎度同条件になるとは限らないので,ある程度の範囲でマスダンパーが機能するようにしておくのが重要です

参考までに減衰を付与するとさらに安定度が高くなる
今回のスノーラリーの期間中に減衰まで弄る時間がありませんでしたが,腰を据えてやるならこのアプローチもありですね


実際に走行させてみた
スノーラリーではインナーボディを付けるので車載映像は取れず
オフロードコースではアクションカメラが汚れそうだったので近所のスピードバンプで試してみました

動作は問題なくしてますね.効果は…まぁ…あるんでしょう.アクションカメラの手振れ補正が半端ないのでマスダンパー有り無しでも差がわからなさそう



さてスノーラリーの結果としてはミニレースが行われ
すだ氏の動画にもありますがレース2で優勝しました!
頑張って作ったラジコンがよく走ると楽しいですね


さてこのマスダンパー検証
本来の目的はオンロードツーリングカーへの応用が主目的でした
ラリーみたいなギャップが激しいカテゴリーで効果検証ができればよりギャップの低いオンロードだと効果は見込めるだろうと

全日本のあるグリーンパークではギャップ対策に苦労した面もあるのでこの辺りも応用できないかと目論んでいました

ギャップ高さ5mmでのシミュレーション結果

質量比をどのくらい置くか,減衰はどうするか?
そもそもオンロードの路面のギャップってどの程度なのか?すべて妄想ですが40gぐらい積んで0.5N/mmのスプリングで支え,2mm動くギミックがあればとりあえず効果検証は出来そう



2023年1月27日金曜日

KCスリックV2タイヤの温度守備範囲

 

1/21~22に行われたマキノ・2in1チャレンジカップに参加してきました!

とはいうものの22日のレース日にはどうしても外せない用事がありレースは欠席

21日のフリー走行日のみ参加しました.


コースの写真を撮り忘れるほどテンパっていたのですが

今回は外周の中速コーナーとインフィールドの低速コーナーが組み合わされたコースとなっています.

路面コンディションとしても普段使用されていない粒細かめのアスファルトと清水PAとかなり近いコンディションだと思います

少なくとも常設コースでは再現が難しいと思います.


ということでこれは京商カップファイナルの絶好のテスト機会となりますので

サポートいただいているG-MAXのグリップ剤テストに参加していました.

グリップ剤の使用方法についてはまた公式からアナウンスされるかと思います.


さてグリップ剤テストの最中タイヤテストも並行して進めていました.

温度域外したタイヤでグリップ剤を比較しても有意なデータが取れないと思ったので


KCスリックV2になってS/M/Hの後ろに硬度らしき数字も併記されるようになりました.

こんな感じでソフト#28/ミディアム#32/ハード#36
のようです.ソフトは昨年10月末に新発売されたものですね

10月末の京商カップ清水の記事↓
http://marutai.blogspot.com/


この時は#32と#36の選択に迷って#36を選択しています.

というものブログを読むと路面温度が30℃ほどあった模様

#36のコンパウンドはかなり優秀だと思っていて温度レンジは結構広いです

さらに車重の重いエンジンカーなのでタイヤ自体の剛性がある#36が向いているといえます.


その傾向なら温度が下がった冬場は#28よりも#32が向いている?

となるのでデータロガーで取得してみました

テスト条件としては良く晴れていましたが気温は8℃ 路面温度は10~16℃でした

データロガーでG-Gプロットを出すことはかなり容易です

ただこれを比較するとなると正直評価手法に迷っていました.


凡例付けて色を分けてプロットしても正直3案ぐらいの比較が関の山で

プロットが重なりまくってよくわからなくなってしまいます.

最も外側のプロットの頻度が高いところを抽出できると可読性の良いグラフになりそうなんですがどうやってデータ処理しよう…となっていました.


半径Rを比較すればよいのでは?と閃いてまとめてみたところ結構いい感じ.XYのデータも一元化できるので比較するにはちょうど良いです

上のG-Gプロットも移動平均をしたデータをプロットしていますが飛び値もみられるので

それぞれのタイヤのグリップは1周で取得したデータの中央値で比較することとしました.



それぞれのプロットが3点ありますが、1周目,ベストラップ,5分最後の周

のデータを示してしています.


先ずハードタイヤ

ラップタイムが最も遅いのが1周目,ベストラップが出たのは5分以降となっています

タイヤウォーマーで70℃5分加熱していますが単純にタイヤが固い印象でした

エンジンカーのゴムタイヤはエンジンの暖気の都合からスタート直前までタイヤウォーマーをかけることは現実的じゃない上に,レース前に2分ほど暖機運転としてコースを周回できます.

ハードのグリップ感は常温戻しからスタートした場合,暖気の中で「タイヤ外したな…」と思うレベルのグリップ感です

走っている間もタイヤの表面だけ熱が入る感じでタイヤ全体が温まるようなフィーリングは得られませんでした.

とはいうものの縦には割とグリップするので縦グリップを意識してタイムは結果的に近いものとなっています

ただデータロガーで取得したデータではこの温度帯でははっきりグリップがほかの2種に対して劣ることがわかります.


ミディアムタイヤ

ベストラップは約2分目で出ています

このタイヤは常温まで下がったとしてもハードほど極端にグリップが下がる傾向はみられないですね

パフォーマンスとしてはコースインから5分経過後もフィーリングは変わらず安定したグリップでした


ソフトタイヤ

今回最も多用したタイヤでした

正直エンジンカーには使わないかな?と思っていましたが意外と使えるタイヤです.

タイヤ自体の剛性は低いので径の大き目なホイールと組み合わせた方がグリップのレール感は出ると思います.私はFAH701BKホイールを使っています

3点のプロットはミディアムに対して拮抗していますがややソフトのほうが優位に見えますね.

とはいえ今回は長くても8分ぐらいしか走れていないのでロングランではどうなるかな?といったところ.レース出たかったなあ…


今回は1月中旬のすごく寒いというコンディションでソフトタイヤが使えたという説もあり

またソフトとミディアムがここまで拮抗しているので3月の京商カップではミディアム主体でタイヤ戦略を考えるのが定石かなと思います


自分がチーム戦に出るのであれば

予選はソフトタイヤで暖まりの良さを生かして予選の混乱を避けてペースを上げて逃げる作戦

決勝はミディアムタイヤでタイヤのグリップダウンを抑えて勝負所までグリップを温存

といったところですかねぇ

2023年1月14日土曜日

モーター性能取得の標準化


少し遅くなってしまいましたが、あけましておめでとうございます!

本年もよろしくお願いします


気分一新ということでヘッダーの画像を先日ZENで撮ってもらった写真に変えてみました

今までのは2016年のGPツーリングスポーツマンの時の写真でもう7年前…2016年が7年も前ということに驚いていますがその間にいろいろ成長もできているかなとも思います.


2022年11月3日木曜日

京商カップ清水レースレポート


 先週末に行われた京商カップ清水のOPENクラスに参加してきました!

EPT全日本で傷心の中の参加でしたが久しぶりに会う人も多くかなりリフレッシュできました!


今回はKCスリックタイヤV2の初めてのレースだったので細かくレポートしたいと思います.


今回のタイヤのラインアップは#32ミディアム/#36ハードの2パターンです.

前評判では以前のKCスリックと比べてかなりグリップが上がっていてかつ寿命も長いというものでした.

タイヤの内側にベタツキもなくテープを貼ったりする手間もなくそのまま組み立てができます.

タイヤが変わるのはホイールやインナー、セッティングも変わってくるハズ

先々週に行われたマキノ2in1チャレンジには全日本の練習で参加できず事前準備ができていない状況なので今回のレースでいろいろ試してみることにしました


コースレイアウトはこんな感じ
左側の外周コーナーは結構高速で中央部は中速速コーナー,右側セクションは道幅も狭くかなりテクニカルセクションというレイアウトでした.


練習走行

自分なりのベースセッティングにV2ミディアムタイヤ+FAH701BKホイール+AXONソフトインナーの組み合わせで出走



練習走行ではひとまずトップタイム
コース慣れの後,結構攻めて走ってみましたが左側の外周コーナーでリアが抜けてしまいます
コース全体が操縦台側に傾斜していて入口は逆バンクで出口に向かって段々バンクになるコーナーでちょっと攻略が難しいです
唐突にリアタイヤが抜けてしまうのでこの辺りは改善が必要でした

あとクラッチが少し遠い感じがしたのも修正が必要でした.

この時の路面温度は15度程度
ただミディアムタイヤは少しヨレているフィーリングでこれが外周コーナーの難しさを生んでいると思います


予選1回目

予選1回目は一人27周に入れることができトップタイム
タイヤはハードタイヤにFAH701BKホイール、インナーはSWEEPピンクです.
グリップ剤はG-MAXクリーナーで拭き取った後,G-MAX下地剤を70度10分,G-MAXブラックグリップ剤をペーパーなしで60度5分としました
グリップ剤はホイール比較のため塗り方は変えませんでしたが十分なグリップを発揮してくれました

セッティングは外周の安定感を増すためにリアウィング位置を後ろにしました


後ろ側の穴がもともとの位置
RウィングはDB16リアウィングもレギュレーションで使えますが,リア周りが重くなってしまい切り返しが遅いので純正ウィングを使っています.
ウィング位置でも効果はあり外周のリアの安定感は増しました

リアのダウンストップも1.2mmから1.6mmに短くしてリアの伸び足を減らしています
86ボディはどうしてもリアのロールが多くなってしまうのでロール規制の意味です
清水PAはギャップがかなり少ないのでダウンストップを少なくしても走れてしまいます

路面グリップは練習で11.4秒でしたが予選では11秒フラットとなり0.4秒のゲイン
他車もそれぐらいの改善幅でした


予選2回目


27周には入れず26周5分フラット
しかし外周で2回ハーフスピンをしていて3秒ぐらい失っているので実質は1回目の予選の1秒落ちぐらいになっています

参加選手全体的に予選1回目のほうがタイムが出ている感じです.もれなく自分もそうなので路面温度の上昇からタイムが落ち着いたものかと思います.
赤外線非接触温度計で30度でした

今回のタイヤの組み合わせはハードタイヤにホイールは92012-8Wの15本スポークホイールです.インナーはSWEEPピンクのまま

15本スポークは径が少し小さくタイヤが丸い断面になります
全体的に少しグリップが薄い感じだったので路面温度も相まってタイムが落ちてしまったものと考えられます.
VZH003系のホイールはFAH701BKホイールと同様に少し径が大きいのでグリップという観点ではこちらのホイールの方があっていると考えます.


決勝



逃げ切りとはいかず序盤はAO木君と大バトルとなりチキチキレースとなりました

スタート後2分過ぎクラッシュしている赤い車両を避けるために自分はアウト側に
一瞬のスキでAO木君はイン側に入ったことでオーバーテイクされてしまいました

そのあともテールtoノーズでしたがAO木君はバックマーカー車と接触してしまいタイムロス
5秒程度差がつきます

ギャップができたところでタイヤを潰さないようにペースコントロールしながら走ります.
5分程度走り給油の前には2.7秒まで詰められていました
今思えば給油の前後ではちゃんとペースを作って給油中に何かあってもリカバリーできるようにギャップは広げておくべきでしたね

AO木君がピットに入った次の週に自分もピットイン
そのままの順位で復帰できアンダーカットは阻止できました

そのあとはペースコントロールをしながらゴールまで

やはり外周のコーナーは今回難しさが残りましたが,ソローリと入っていけば何とかなりましたwバトルしてたらやばかったかも…

セッティングとしてはリアはもう固められないのでフロントを柔らかくする方向で変更
フロントスプリングをイエローからオレンジに変更しました.

ロールの姿勢が綺麗になったので86ボディにはフロントオレンジ,リアグリーンのバランスがいいみたい

今思えば0.5mmほどリアトレッドを広げても良かったかも


15分走ったタイヤはこんな感じ 接着部も全く問題ないですね

最終的なセッティングシートです.

今回のポイントとしては最近スポンジでも実施しているショートホイールベース化です


フロント側に赤いシムが入っているのがショートホイールベース化の証拠
ロアアームのダンパー取付位置も変わっちゃうのでピロボールの首下にも1mm入れています

これでかなり頭の入りのいい特性になりますよ
特にインフィールドでは転がす感じで曲がれるようになったのでミスも減ってタイヤも持ちも良かったかと思います.


来年3月の京商カップファイナルはもう少し気温が低いと思うのでミディアムの出番かもしれませんがひとまず参考までに



2022年11月2日水曜日

2022年EPT全日本レースレポート

 


今回のEPTの全日本の結果としては

予選18位/決勝14位

という結果となりました.GPT全日本の時と違って実力を出し切れなかった感じで約10日経ちましたがまだモヤモヤしている状況です.


とはいえサポートしていただいているメーカー様や応援していただいた方に報いるためにも必死で頑張った成果でもあります.

この場を借りて心より感謝申し上げます.


さてレースレポートです.

車体についてはラジコンもんちぃさんの記事で少し出ていますがTF-Prototypeで参加していました.

これについては詳細に書ける日が来たらいろいろと紹介したいと思います.

今回は事前準備のパワーソースと予選決勝でのレポートを書いていきたいと思います.


事前練習

事前練習としては前の週の土日、レースウィークの木曜日、金曜日とサーキットに足を運んでいました.
前回の記事でもいろんなロータを試して鉄シャフトロータがいいのか?となっていましたが,やはり熱的に厳しくて序盤は良くてもどんどんタイムが落ちてしまっていました.

今回はもう時間切れでいろんな人にヒアリングしてみて結局φ12.5mmチタンロータに5.5付近のギア比に設定しました.

今まで効率だけを注目していましたが,結局目的は5分間を速く走ることです.耐久レースをしているわけではないので

エネルギマネジメントの観点でバッテリー残量含めたモータ出力,ドライバビリティも含めてトータルで考えないといけないことが身に染みてわかりました.


以前の記事の宿題として電流を吐いちゃうことを書いたところ
ZENの橋本さんからヒントを頂きました.磁力の高いロータのほうが電流を吐いちゃうよとのことでした.

ロータの磁束がステータに及ぼす逆起電圧の影響で電流を吐かないと回らないのかな?ぐらいの認識でしたが,それじゃあギア比だけで解決しそうなので違いますね

今までのデータを見返すと赤が鉄シャフトロータ/グレーがチタンシャフト
3行目のスロットル波形に注目

4行目の電流波形に注目

時間軸を合わせて見るとフルスロットル状態になると突然鉄シャフトのほうが電流が高くなります.パーシャルの時はあまり変わらないです.
フルスロットルに連動する設定としてはターボ進角が考えられます.
今のターボの設定はinstantになっていてフルスロットルにすると同時に25°程いきなり進角がかかる設定になっています.

鉄シャフトロータで最大トルク/最大効率制御での進角

上の図の20krpm抜粋
本来の進角制御は回転数,負荷,電流状態をフィードバックして最適進角を制御する必要があります.
ただパラメータ同定が必要になるのでラジコンでは回転数とターボはdeg/sの設定のみになっています.
smartloggerから回転数とトルク推定値から適切なターボ条件を出すと電流を抑えられるのかなと思います.

もっともこれに気付いたのは全日本が終わった後なのでその時は一足飛びでチタンシャフトを使っていました.


ちょっと余談

機械進角をどんどん大きくしていくと速くなると思い,大きくしていくと加速がカブッた感じになったという意見を全日本の期間中に聞きました.
症状的には負荷ポイントにもよりますが進角し過ぎていて脱調しているのかと思います.

ラジコンモータの場合磁石はNSひとつづつの2極なので機械角度との関係は
機械角=電気角x2/P  (Pは極数)
つまり機械角=電気角となります.なのでエンドベルの目盛りと電気進角の角度は等しく扱っても良いこととなります.

上の図の鉄シャフトの進角特性を見ても低回転域で15度進角するとなっています.
ESCの設定として極低回転から進角しないと思うのでこの辺りを機械進角で調整かと思います.
HobbyWingの場合30度から目盛りを切っていますが,原点がどこか分からないし感覚的に30度時を0度として考えると上記鉄シャフトは機械角45度スタートとなり普段の使い方に近いのかと思います.
進角の絶対値としてはマップの電気進角-機械角がESCのプログラムカードで入力すべき設定値かと思います.

ちなみにラジコンモータの骨格で最もトルクを出せるのは電気角90度進角しているタイミングです.
90度が山のピークとすると進角側も遅角側もトルクは減るということですね
進角側では回転方向と逆方向に磁界が生まれることにもなりそれが熱になってしまうしカブッた感じになるというのが理由だと思います.

余談終わり

チタンシャフトの効果


チタンシャフトに変えてからというものどんどん5分間の周回タイムを更新できました.
後半のラップで損をしていたようで
それまでなかなか18周5分10秒を切れなかったのが9秒や8秒が出てきました.

ロータ別の電流値
上記のようにターボ進角による電流もそうですが,ロータ磁束そのものの電流値も違うようです.
上の図の下の行,電流値を比較すると高回転域ではトルクはほぼ同等でチタンシャフトのほうが電流値が低くなっています.
ジュール熱による銅損が減り,結果モータが発熱しなくて後半までラップが落ちなくなったということでしょう

とはいえみんな5分5秒が出てるとか、速い人はフラットや1秒と言っていて
差は感じておりBメインも厳しいかなと思っていたのが予選前日金曜日の昼間の状況でした.

金曜日の午後はTF-Prototypeに対していろいろセッティングを施し,”手についてくる”フィーリングにはすることができました.ラジコン楽しいな~という感じでしたねw

この時点での持ちタイムは15時過ぎに出した18周5分7秒でした.


全日本当日

・練習走行
練習走行は10番手
タイヤは自分で買った新品タイヤです.特に攻めて走ったわけでもなく
前日にできた”手についてくる”フィーリングの確認と路面状況の確認でした.
あれ意外に戦える?というのが練習走行の感覚

・コントロールプラクティス
コンプラは16番手
3~5周目のタイムでそこそこのタイムが出たので10周ほどでアタックを終了しタイヤを温存しました.
ひとまずBメインヒートには滑り込めました.

・予選
1回目:13位
2回目:49位
3回目:15位
4回目:18位

1回目は18周5分6秒と練習でも出たことがないタイムを出せて気持ち的には満足できました.
ここまででわかったことは新品タイヤが自分のドライビングに合っていてタイムを出せるということ
メンタル的にBメイン入れるかな?ぐらいで臨んでいたのでノープレッシャーで震えて固くなることなく走れたこと
ちょっといい感じだなと思い予選2回目に臨みます

1分半でリタイヤしてしまいました…
スタートから16秒台を連発していい感じで走れていました.3番スタートですが前の2台にどんどん近づいて自分でもペースが良いことがわかりました.
この時点でもプレッシャーは特に感じていなかったんですが真ん中のロータリーコーナーの手前の縁石に乗せすぎてしまい弾かれてそのまま逆さになりコースフェンスに激突してしまいました.
足回りが壊れたのでリタイヤとなります.

この予選が今回の全日本で最も悔やまれる結果となりました.走り切れていれば大量ポイントをとれていたのかなと…はぁ

左リアサスアームのダンパーピポッド部がネジ山がなくなる感じで壊れていました.
ダンパーシャフトにも負荷がかかったようで少しオイルが漏れた痕跡がありました.

ただ今回のタイムスケジュールでは修理できる時間がなく,サスアーム交換で手一杯でダンパーのエア抜きをできる時間が残されていませんでした.

そのまま挑んだ予選3回目はやはり左リアグリップが不足感がありタイムを伸ばせず悪い流れができつつありました

翌日の予選4回目
私のゴールタイムは18周5分8秒781でBヒート最下位

15周目にストレートエンドのコーナーのターンインで縁石に乗りすぎてミスしてしまいそれまでのアベレージラップに対して約1秒のロス
さらに17周目コース中央の下ってくる高速の左コーナーでスピンしてしまい約1.7秒のロス
計2.7秒失っていました
タラレバですが18周5分6秒に乗れていたら8位ポイントぐらい取れていたみたいです.

ストレートエンドはドライビングエラーで,高速左コーナーはミスをリカバリーしようと無理した結果のミスとなりました.

この予選2回目と4回目の結果はどちらもドライビングエラーが発端となっておりショックがかなり大きいです…

車両としてはTF-Prototype、HOBBYWINGのパワーソースどちらも競争力があるものに仕上げることができたにもかかわらず結果に結びつかなかったというのが悔いが残る結果です.

決勝Bメインは1回目はクラッシュに巻き込まれてセンサーケーブルが抜けてしまい戦線離脱
2回目は激しい2位争いで最後までパスできず3位フィニッシュとなりました.


速いドライバはやっぱり”ここぞ”というタイミングで結果を残すのを何度も目の当たりにしていますし
自分はまだその器になれていないんだろうなと.なれるかは分かりませんが…


とりあえず6月のGPT全日本からラジコン漬けの生活で少し疲れたので11月は少しお休みして
12月のカズキカップやZENの最終戦は楽しんでラジコンできるようにメンタルを休息させようと思います.



2022年10月4日火曜日

グリーンパークスピードウェイでROAR17.5Tを走らせてみる

今年はEPT OPENの全日本も出るので2回目の全日本となります.

今回の全日本は自分のやり方でしっかり準備をして自分の実力を出せればと思っています.

ちょっと遅いですが先週末からグリーンパークに通い始めたので先ずは今年からレギュレーションが変わったモータについて解析してみます.

流れとしては以前の記事の21.5Tを解析したものと同じです.

モータはHOBBYWING XERUN-V10 G4を購入しました


当初はチタンロータがいいのかな?と思いロータ交換をするついでにいろいろ寸法も測ります.



モータ諸元解析

今回G4に変わって見た目に特徴的なのはケースの外径がステータの外径とほとんど同等になったこと
見た目にスッキリしていていいなと思いましたがどうやって同軸を出しているんだろうとも疑問に思っていました.

80A@1000rev/minの解析結果
上の図はさっそく解析してみた図になります.動作点的には高負荷低回転ポイント
ボルトの穴部分も磁束が回っていることがわかるのでこの部分は鉄ネジを使った方がよさそうです.

参考までに外径がツルっとした形状も解析をしてみると外径部分が飽和していたのが緩和されています.
このままの状態では最大トルクの差も出ましたがネジの材質を気にしていれば問題ないかなと思います.



冷却方法の把握

以前の記事でファンのレイアウトとダクトを検討していました.

当時は角30mmのファンで吸気し角40mmのファンで排気するのが最も冷却効率の良い方法でした

今回はファンの積み方を変えていて角40mmを2個掛けしています.レイアウトはそのうち写真UPしますね

この角40mmファンも吸気排気にした方がいいのか?それともどちらも風を当てた方がいいのか?これを最初に検証しました.

結果は大差です
ファンの搭載レイアウトを変えたことで流れ方が変化しどちらも風を当てる方向にした方が圧倒的に冷えることがわかります.約30℃差はかなり大きいと思います.

消費電流もSmartLoggerを使えば簡単に求められます.結果は

Fr_吸気/Rr_排気の場合は2.46A

Fr_吸気/Rr_排気の場合は1.45A

よく冷える方が消費電流も少ないです.いいことづくめですね.

排気側ファンがうまく吸えずにファンに負荷がかかり,温度も冷えないということでしょう.

最も効率がいい冷却方法を見つけたところでギア比やロータを変えてデータを取ります.


効率マップと動作点解析

今回最もやりたかった解析と実走データを重ね合わせてみます
30820417ロータ(12.2 チタン) ギア比5.13
最初はギア比5.6ぐらいから走らせ始めましたが効率マップはすでに検討済みだったのでSmartLoggerで回転数を睨みつつギア比5.13に落ち着きました.

解析で求めた効率マップに青プロットの実走データを重ね合わせています.
概ね効率70%以上のところで走っていますが低回転高トルク域でやや効率が落ちています.
低いところでは効率は50%台に落ちてしまっていますね.
径の小さいロータでかつシャフトがチタンということもありトルクを出すために電流を吐いてしまい銅損が悪化したのかと思われます.

30820444(12.5鉄シャフト純正) ギア比4.98


30820444(12.5鉄シャフト純正) ギア比4.6

※出力アウトラインから実走プロットがはみ出しています.今のところ原因不明…グリーンパーク特有の下り坂が原因か

ほとんど丸一日ギア比を変えたりロータを変えたりした結果, 思いのほかよかったのが鉄シャフトのロータ
鉄シャフトだとシャフトに渦電流が発生
→ロータシャフトが加熱
→マグネットが加熱してしまい磁力が低下し出力低下
となりますが,今回の場合はそれよりも動作点を低回転側に移動しそもそも渦電流を低減させたことのメリットの方が大きい模様

チタンシャフトを使った時のように低回転高トルク領域の非効率部分を使わずに走れています.
ギア比4.98では少し回しすぎで4.6は低回転の非効率部分に足を突っ込んでいるので間ぐらいに解がありそうですね

実走時の昇温データ
青プロットの鉄シャフトギア比4.98は途中でボディを巻き込んで走行中断
オレンジプロットの鉄シャフトギア比4.6は200秒過ぎでクラッシュしてしまい走行を止めています

そこまでのデータを見ても鉄シャフトのほうが温度が低くなっています
ただテスト時間が15~16時半頃と外気温変化が激しい時間帯なのでこの辺りは追加検証が必要そうです.
ただ鉄シャフトのデータは結構取れたので次はチタンシャフトのデータの拡充をしてみようと思います.

走らせたフィーリングとしても鉄シャフトのハイギア方向のほうが走らせやすくていい意味でパワフルなのでスロットルを「探れる」フィーリングでした
チタンシャフトはトルクのスカスカ感がありどうしてもガバ握りしてしまいモータやタイヤを保たせにくい感じです.

次回の宿題項目

モータ温度/電圧/電流のデータ
赤がチタンシャフトギア比5.13/グレーが鉄シャフトギア比4.6
4行目は電流のロガーデータ

予想では鉄シャフトのほうが電流が低くなるハズだったのがむしろかなり高くて20Aほど吐いている

LAPごとの平均電圧 青がチタンシャフト,緑が鉄シャフト

電流を吐いているのでLAPを経るごとに電圧の低下も大きくパワーダウンが起こっています.
実走ではあまり気にならなかったですがデータ的にはトップスピードの低下が顕著になっています.

グリーンパークはホームストレートが下り坂なのでこの辺りはあまり気にしなくてもいいのか
この辺りは5分のトータルタイムをきっちりデータを取ってみて判断しようと思います