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2022年11月2日水曜日

2022年EPT全日本レースレポート

 


今回のEPTの全日本の結果としては

予選18位/決勝14位

という結果となりました.GPT全日本の時と違って実力を出し切れなかった感じで約10日経ちましたがまだモヤモヤしている状況です.


とはいえサポートしていただいているメーカー様や応援していただいた方に報いるためにも必死で頑張った成果でもあります.

この場を借りて心より感謝申し上げます.


さてレースレポートです.

車体についてはラジコンもんちぃさんの記事で少し出ていますがTF-Prototypeで参加していました.

これについては詳細に書ける日が来たらいろいろと紹介したいと思います.

今回は事前準備のパワーソースと予選決勝でのレポートを書いていきたいと思います.


事前練習

事前練習としては前の週の土日、レースウィークの木曜日、金曜日とサーキットに足を運んでいました.
前回の記事でもいろんなロータを試して鉄シャフトロータがいいのか?となっていましたが,やはり熱的に厳しくて序盤は良くてもどんどんタイムが落ちてしまっていました.

今回はもう時間切れでいろんな人にヒアリングしてみて結局φ12.5mmチタンロータに5.5付近のギア比に設定しました.

今まで効率だけを注目していましたが,結局目的は5分間を速く走ることです.耐久レースをしているわけではないので

エネルギマネジメントの観点でバッテリー残量含めたモータ出力,ドライバビリティも含めてトータルで考えないといけないことが身に染みてわかりました.


以前の記事の宿題として電流を吐いちゃうことを書いたところ
ZENの橋本さんからヒントを頂きました.磁力の高いロータのほうが電流を吐いちゃうよとのことでした.

ロータの磁束がステータに及ぼす逆起電圧の影響で電流を吐かないと回らないのかな?ぐらいの認識でしたが,それじゃあギア比だけで解決しそうなので違いますね

今までのデータを見返すと赤が鉄シャフトロータ/グレーがチタンシャフト
3行目のスロットル波形に注目

4行目の電流波形に注目

時間軸を合わせて見るとフルスロットル状態になると突然鉄シャフトのほうが電流が高くなります.パーシャルの時はあまり変わらないです.
フルスロットルに連動する設定としてはターボ進角が考えられます.
今のターボの設定はinstantになっていてフルスロットルにすると同時に25°程いきなり進角がかかる設定になっています.

鉄シャフトロータで最大トルク/最大効率制御での進角

上の図の20krpm抜粋
本来の進角制御は回転数,負荷,電流状態をフィードバックして最適進角を制御する必要があります.
ただパラメータ同定が必要になるのでラジコンでは回転数とターボはdeg/sの設定のみになっています.
smartloggerから回転数とトルク推定値から適切なターボ条件を出すと電流を抑えられるのかなと思います.

もっともこれに気付いたのは全日本が終わった後なのでその時は一足飛びでチタンシャフトを使っていました.


ちょっと余談

機械進角をどんどん大きくしていくと速くなると思い,大きくしていくと加速がカブッた感じになったという意見を全日本の期間中に聞きました.
症状的には負荷ポイントにもよりますが進角し過ぎていて脱調しているのかと思います.

ラジコンモータの場合磁石はNSひとつづつの2極なので機械角度との関係は
機械角=電気角x2/P  (Pは極数)
つまり機械角=電気角となります.なのでエンドベルの目盛りと電気進角の角度は等しく扱っても良いこととなります.

上の図の鉄シャフトの進角特性を見ても低回転域で15度進角するとなっています.
ESCの設定として極低回転から進角しないと思うのでこの辺りを機械進角で調整かと思います.
HobbyWingの場合30度から目盛りを切っていますが,原点がどこか分からないし感覚的に30度時を0度として考えると上記鉄シャフトは機械角45度スタートとなり普段の使い方に近いのかと思います.
進角の絶対値としてはマップの電気進角-機械角がESCのプログラムカードで入力すべき設定値かと思います.

ちなみにラジコンモータの骨格で最もトルクを出せるのは電気角90度進角しているタイミングです.
90度が山のピークとすると進角側も遅角側もトルクは減るということですね
進角側では回転方向と逆方向に磁界が生まれることにもなりそれが熱になってしまうしカブッた感じになるというのが理由だと思います.

余談終わり

チタンシャフトの効果


チタンシャフトに変えてからというものどんどん5分間の周回タイムを更新できました.
後半のラップで損をしていたようで
それまでなかなか18周5分10秒を切れなかったのが9秒や8秒が出てきました.

ロータ別の電流値
上記のようにターボ進角による電流もそうですが,ロータ磁束そのものの電流値も違うようです.
上の図の下の行,電流値を比較すると高回転域ではトルクはほぼ同等でチタンシャフトのほうが電流値が低くなっています.
ジュール熱による銅損が減り,結果モータが発熱しなくて後半までラップが落ちなくなったということでしょう

とはいえみんな5分5秒が出てるとか、速い人はフラットや1秒と言っていて
差は感じておりBメインも厳しいかなと思っていたのが予選前日金曜日の昼間の状況でした.

金曜日の午後はTF-Prototypeに対していろいろセッティングを施し,”手についてくる”フィーリングにはすることができました.ラジコン楽しいな~という感じでしたねw

この時点での持ちタイムは15時過ぎに出した18周5分7秒でした.


全日本当日

・練習走行
練習走行は10番手
タイヤは自分で買った新品タイヤです.特に攻めて走ったわけでもなく
前日にできた”手についてくる”フィーリングの確認と路面状況の確認でした.
あれ意外に戦える?というのが練習走行の感覚

・コントロールプラクティス
コンプラは16番手
3~5周目のタイムでそこそこのタイムが出たので10周ほどでアタックを終了しタイヤを温存しました.
ひとまずBメインヒートには滑り込めました.

・予選
1回目:13位
2回目:49位
3回目:15位
4回目:18位

1回目は18周5分6秒と練習でも出たことがないタイムを出せて気持ち的には満足できました.
ここまででわかったことは新品タイヤが自分のドライビングに合っていてタイムを出せるということ
メンタル的にBメイン入れるかな?ぐらいで臨んでいたのでノープレッシャーで震えて固くなることなく走れたこと
ちょっといい感じだなと思い予選2回目に臨みます

1分半でリタイヤしてしまいました…
スタートから16秒台を連発していい感じで走れていました.3番スタートですが前の2台にどんどん近づいて自分でもペースが良いことがわかりました.
この時点でもプレッシャーは特に感じていなかったんですが真ん中のロータリーコーナーの手前の縁石に乗せすぎてしまい弾かれてそのまま逆さになりコースフェンスに激突してしまいました.
足回りが壊れたのでリタイヤとなります.

この予選が今回の全日本で最も悔やまれる結果となりました.走り切れていれば大量ポイントをとれていたのかなと…はぁ

左リアサスアームのダンパーピポッド部がネジ山がなくなる感じで壊れていました.
ダンパーシャフトにも負荷がかかったようで少しオイルが漏れた痕跡がありました.

ただ今回のタイムスケジュールでは修理できる時間がなく,サスアーム交換で手一杯でダンパーのエア抜きをできる時間が残されていませんでした.

そのまま挑んだ予選3回目はやはり左リアグリップが不足感がありタイムを伸ばせず悪い流れができつつありました

翌日の予選4回目
私のゴールタイムは18周5分8秒781でBヒート最下位

15周目にストレートエンドのコーナーのターンインで縁石に乗りすぎてミスしてしまいそれまでのアベレージラップに対して約1秒のロス
さらに17周目コース中央の下ってくる高速の左コーナーでスピンしてしまい約1.7秒のロス
計2.7秒失っていました
タラレバですが18周5分6秒に乗れていたら8位ポイントぐらい取れていたみたいです.

ストレートエンドはドライビングエラーで,高速左コーナーはミスをリカバリーしようと無理した結果のミスとなりました.

この予選2回目と4回目の結果はどちらもドライビングエラーが発端となっておりショックがかなり大きいです…

車両としてはTF-Prototype、HOBBYWINGのパワーソースどちらも競争力があるものに仕上げることができたにもかかわらず結果に結びつかなかったというのが悔いが残る結果です.

決勝Bメインは1回目はクラッシュに巻き込まれてセンサーケーブルが抜けてしまい戦線離脱
2回目は激しい2位争いで最後までパスできず3位フィニッシュとなりました.


速いドライバはやっぱり”ここぞ”というタイミングで結果を残すのを何度も目の当たりにしていますし
自分はまだその器になれていないんだろうなと.なれるかは分かりませんが…


とりあえず6月のGPT全日本からラジコン漬けの生活で少し疲れたので11月は少しお休みして
12月のカズキカップやZENの最終戦は楽しんでラジコンできるようにメンタルを休息させようと思います.



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