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2020年12月21日月曜日

久々にGPスポンジ ~ノーマルフロントタイヤの覚書~

 


ブログのラベルでいうと一番最後のスポンジタイヤの投稿は去年の全日本前の新車組み立ての時になってしまうんですね.

最近BRCサーキットではTGスポンジタイヤが多数派のカテゴリーになっています.

元々TGラバータイヤを楽しんでいた層がラバータイヤの供給問題からスポンジに流れたような状況になっています.

モデファイエンジンだと持てあますコースレイアウトでTGスポンジにはちょうど良く楽しめる状況でエンジョイ派が多くなっています.


ちょっと前から誘われていて,EPのモータの特性差もすこし煮詰まっていたので

久々にスポンジTGを走らせてきました.


写真の通りタイヤはマトリックスでYURUGIXの全日本向け成型済みタイヤです.

ライフとしてはBRCサーキットを112周(走行時間で約35分)でリアタイヤがΦ65mm→約Φ56mmとなりました.

いろいろセッティングは弄っては走らせるのを繰り返していたのでほぼ1日で1セットという状況です.


このタイヤの硬度はF#35/R#37となっていてノーマルタイヤです.

BRCのコースレイアウトとしてはコンビタイヤが最適かなと思いますが

最近のレースのコントロールタイヤとしてノーマルタイヤが選択されることもあるので

使い方の覚書として記録しておきます.

その前にこの1年半で発売されたアップデートパーツの組み込みから始めます.

結構前からオプション展開されていましたがフロント,リア共に装備

超マニアックな情報ですがフルアルミリアユニバVZW445に付属するホイールシャフトは

ネジ部の長さが短くなっています.

競技ユーザーならほぼ100%使っているセレート付きのM4フランジナットを取り付けるとネジ部が出ない長さに設定されていて,フェンスに横からヒットしてホイールシャフトがフェンスに食い込んでサスアームが折れた!なんてトラブルを防げます.

またビッグレースだと全幅も規定されていますが,少しでもワイドトレッド化したいときにも有効です.

従来の鉄のものとジョイント部分の寸法も見直されているのでコーナリングも失速感なく曲がれます.

ノーマルタイヤは失速させずに曲げたいのでMUST装備ですね.


失速感ないコーナリングはフィーリングとして曲がらないと感じるので次のタンクでアルミアッパーバルクを装備



過去記事でゴム車にこのアッパーバルクを付けた際はフロントが強すぎて弾かれるフィーリングだったのでダンパーステーをFRPにして対処しましたが

さすがにスポンジ車では存分に効果を発揮してくれています.

フロントの入りが良くなり,ホイールシャフト交換での失速感のなさは維持しつつ曲がるフィーリングでとても良いです.

まだやってないですが,アッパーバルクを止めるネジの長さを変えたり,材質を変えたりすると最後の微調整みたいなことが出来そうです.


あと上の写真にも写っていますがフロントワンウェイも装備しています.

ノーマルタイヤとの相性はかなり良いです.クリッピングポイント付近でもうひと曲がり欲しい時に曲がる感じです.


ワンウェイ装着でゴム車ではあまり感じなかったがスポンジ車では少しブレーキングが難しく感じました.

BRCみたいなタイトレイアウトでローグリップなサーキットで直進の時にブレーキをするとリアがブレイクしてしまいます.

FTTワンウェイの真骨頂である内側と外側のオイルを変えることで対処もできますが,コーナリングは良い感じなので変えたくないな…ということでブレーキ側を弄ります.



ブレーキパッドのピストン側のパッドにΦ3mmのドリルで穴を開けました.

位置としてはロータに対してなるべく内径側に当たる部分です.

穴の数は好みだと思いますが,自分はなんとなく3つぐらいかなというところから始めました.

これは単純にパッド面積を減らして制動力を下げています.

効果としては最大制動力は正直あまり差は感じませんが,パッドがロータにタッチしてから制動力の立ち上がりをコントロールしやすくなりました.

探りながらブレーキできるのでよりステアリング操作に集中でき,スムーズにコーナリングできました.

ベストラップはあまり変わらないですがアベレージが改善したというチューニングでした.


ここまでやってもうひと曲がりが欲しくなります(笑)

ステアリングの反応はあるし,リアはアッパーアームのハブ側を上げて抜けるようにしてクルマの自転もするしだけど

反応→自転の間の区間でもう少し曲がりが欲しい

ということでフロント回りを変更

フロントトーを2°→1°

バンプステアを1.5→3.5mmへ

(もともと1.5mm入っているのはキャスターを1mm寝かせているので)




トーはもちろん効果ありましたが,さすがに2mmも入れたのでバンプステアも効いてます.

多分ブレーキングでノーズダイブしてトー減らしているんだと思います.

ノーズダイブの量はブレーキの強さに比例するので低速コーナーほどトーインになっているハズ.

↑これは間違い,この方向にシムを入れるとバンプアウトになります.
切って曲がるように感じたのは夕方で路面が上がってきたからかと、、、
バンプインにするためにはアップライトのボールエンド座面を薄くする必要があります.強度的にはあまりやりたくないですね

最終的に切ったら切った分だけ曲がってこの日は楽しくラジコンが出来ました.



とりあえずタイムは16.8秒 なんとか16秒台には入れました.

誘ってきたK上氏は夕方の最後の最後に16.5秒

これはコンビタイヤとのタイム差か!腕の差か!笑


今のセッティングにコンビタイヤを付けると巻き車になる気がするので

今度はコンビタイヤのセッティングをしていこうと思います.



2020年11月29日日曜日

HRF ナイトレースレースレポートとチタンロータの考察

 G-MAXの燃料添加剤テストをするために久々にSRTに行ってきました.

その日は夕方からHRFのナイトレースがあるということでついでに出てきました!昼間全力でデータ取りしていたので結構疲労困憊でしたが…汗



レースレポートといえるほど準備しているレースではなかったので

本題のチタンロータの為にもサラッと書きます



タイヤはYURUGIX32が良いということでしたが1セットしかないので温存

手持ちの一番柔らかいタイヤがSOREX28だったので練習走行と予選1回目はそれで走行

練習走行と予選1回目ではギア比を検討しました.

今回データロガーはエンジンカーに積んでいたので今回はデータが取れていません…


ギア比は手持ちで最もハイギアになる設定だった5.78で走行

この時の最高回転数はプログラムカードによると約43000rpmでした.


高速レイアウトのSRTですがそれでも立ち上がり加速のパワー感が薄い感じです.スロットルもずっと握りっぱなしな感じで

バッテリーの消耗も激しく後半は大きくパワーダウンを感じました.


これはギア比の選択ミス何だろうなと思い常連さんたちにリサーチ

皆さん6.2~4ぐらいのギア比で走っているみたいです.広いコースだとハイギアにすると思っていましたが思ったよりもローギアで驚きました.

予選2回目はギア比を6.2に設定

またタイヤは慣らしも兼ねてYURUGIXで走行.

1パック目のタイヤはグリップ感が薄く記録したタイムも予選1回目のほうが早い結果でした.

ただパワー感としてはローレシオの方が前に出る感じが強いです.そりゃそうという結果ですがね

最高速の伸びとしても他車と遜色ないレベルでした.


参考までにブーストは50°,ターボは20°,メカ進角は35°設定です.



決勝はスタートで混乱に巻き込まれたり,中盤のバトルで縁石に乗ってその時にボディを巻き込んだりしてリザルト的には鳴かず飛ばずでした.


ただこの決勝結果から知りたいこととしてはラップペースです.

レース結果からギャップチャートを起こしてみました.

赤プロットが私のデータです.

敬称略となります.また集計時間の都合で上位7名までです

1周目のスタートの混乱でトップから5秒ぐらい離されています.そこからはトップよりも速いペースで周回しています.

まぁトップは後ろとのギャップがだいぶあるのであまり飛ばしていないというのもあるでしょうが

12周目にボディを巻き込んでからペースがガクッと落ちていますが,そこまでのペースはあまり悪くなかったのかなという結果ですね.

本当はバッテリー残量が少なくなり差が顕著になる4分過ぎのデータが欲しかったのですがレース展開的にやむなしですね.


ここからがこの記事の本題

現在のESCの制御方法だとバッテリー残量が減ると最高回転数が落ちてきます.

なので径の大きなロータを使うとロータからステータへ影響する磁力が大きくなりより顕著に回転数の低下があるかと考えています.


Facebookのコメントでチタンロータってどうなの?というコメントがあったので

いろいろと考察してみます.現物をまだ持ってないので買うかどうかの判断も兼ねてです


チタンロータの前に普通のロータがどういう構造をしているか分からなかったのでとりあえず分解してみました!

各部品がロータに圧入されているみたいです.シャフトと磁石は結構いい圧入荷重だったので普通に使う分にはスリップしないはずです.

自分の想像していたロータの構造と比較してみます.

今までは電磁鋼板を介して磁石が取り付けられていると思っていたんですが

思った以上にシンプルな構造をしていました.


チタンシャフトロータは上記図のシャフト部分が鉄からチタンになっているということですね.

チタンは非磁性体なので鉄シャフトとは磁束の流れ方が変わります.


これは駆動用モータの解析事例ですが磁石裏のヨーク部分にも1.4Tぐらい磁束が流れているみたいです.チタンなら完全に飽和している領域ですね.

こんな解析事例も載っていました.


SPMモータによるシャフト径をパラスタした結果です.
磁路になっているのでシャフト径はトルクの感度があります.


磁石背面のリターンパスの経路が変わることで出てくる磁束の量が変わっています.

感覚的にも磁石だけじゃなくて,鉄にくっつけた磁石のほうがより強い吸引力を持ってますからね


このことから分かることは同じロータ径でも鉄とチタンでは磁束密度が変わることで

トルク: 鉄>チタン

回転数: チタン>鉄

となります.


じゃあ径の小さいロータを使えば同じことじゃないの…?となりますね.

感覚的には鉄→チタン化による磁束密度の低下よりも,

ロータ径縮小による機械的なトルク低下とエアギャップ拡大による磁気的なトルク低下が大きいと感じています.


上記感覚を信じると使用用途の仮説としては

小径ロータ:低グリップで広めのコースで有効 (トルクを下げてタイヤの空転防止とストレートの伸びを確保)

チタンロータ:グリップがある広めのコース (グリップがあるので低回転のトルクはそこそこ欲しいが、バッテリーが減っても高回転の伸びも欲しい)

大径ロータ:グリップがあり狭いコース (トルクも必要だけど回転数はほどほどな時)

こう書くとチタンロータってオールマイティーで便利そうに見えてしまうw

ということで買ってしまいました!

今まで自分の勘違いでチタンシャフトってそんなに効果ないと思っていましたが

仮説は本当なのかを実走してデータロガーで収集するデータで分析してみたいと思います.

2020年11月11日水曜日

モータ考察 ロータ径について

 前回は進角について考察を書きましたが

今回はロータ径です.


ステータとロータの径の差(エアギャップ)は基本的には干渉するギリギリまで近づけます.

エアギャップはステータ/ロータ相互に働く磁気吸引力を決定する重要なパラメータで律速としては部品公差や組み立て精度となります.


ただラジコンの場合は以前の記事で書いた通り弱め界磁制御をしていないので

ロータが回転し発生する逆起電力とバッテリ電圧の釣り合いによって上限回転数が決まってしまいます.

ロータ径を小さくすることでロータからの磁束を減らして回転数を上げようという考えだと推測しています.

エアギャップを広げることはトルク定数を下げることとほぼ同意ですが

そもそも加速限界を超えたトルクを出している現在のラジコンカーのモータだとそれよりも最高速の伸びを出せる径を選択しているというところが現状ですかね


京商のTROXモータは現在2種類のロータが出ています

今出ているのは

①5.0x12.3x24.0

②5.0x12.5x24.0

の2種ですね.上記数字の意味は磁石内径x外径x長さの意味のハズ.円弧型の磁石が2つ表面に張り付いています

②のロータのほうが若干磁石量が多いということですね

基本的には①が回転型、②がトルク型で13.5Tだと純正では②が付いてきます.

BRCサーキットでTF7.7にレシオ6.4でロータを交換した結果が下のグラフです


実線がロータ回転数、破線が加速度です.

ロータの図中の最高回転数付近でおよそ70km/hぐらいです.

ローグリップなサーキットだとロータ径を変えたところで発進Gが変わらないということが分かりました.

テストとしては静止状態からスロットル全開にして直線に走らせました.

横Gとかの影響を受けずに純粋な加速力(≒トルク)が分かります.

ロータが太くてトルクが増しているにもかかわらず発進Gが変わらないことはホイールスピンして路面にトルクを伝達できていないということですね

これは路面とタイヤのμが変わると変化するかもしれないのでハイグリップサーキットに出掛けるタイミングでデータを取ってみようと思います.


高回転領域では差が出ていてやはりロータ径が小さいほうが最高速は伸びている様子


では太いロータでハイギアにしてホイールスピンを減らして加速度を出しつつ、最高速もだせるのでは…?


実はこのデータを取る前は頑張ってシャシダイナモを自作して

トルク出力を実測するのが手っ取り早いんじゃないかと思っていました.

ただ発進Gが路面とタイヤのμの律速がある限りダイナモで見るよりも走らせた方が欲しいデータが出てきそうです.

ダイナモ上でこれが最も良い!となっても走らせて速くないと何やってるのかわからなくなりますからね


ひとまずロータ径を変えたときの回転数の差分を吸収できるギア比に変更して

データを実測してどちらが効率よい(≒5分間のタイムが速い)のかを実測してみようと思います.



京商チャレンジカップ@2in1サーキットレースレポート GT3

 

台風により11/1に延期された京商チャレンジカップに参加してきました!


先ずはGT3のレースレポートから書いていこうと思います.

レース前からGT3のタイヤって何が良いんだろう?ということで数パターンの仕様のタイヤを持ち込んで前日練習で絞り込んでみました.

今回持ち込んだタイヤは

・何も細工なしで組み立て、インナーも純正(グラステープを巻くだけ)

・タイヤの内側にテーピングテープを巻いて、純正インナー

・スイープのモールドインナーを切って径を小さくしたもの、タイヤはテーピングなし

上記3種類です.

タイヤの組み立て方としては

純正インナーの場合

こんな感じでインナーの外側にHUDYのグラステープを1周だけ巻いています.
理由としては遠心力でインナーがはじけ飛ぶのを防ぐためです.
グラステープはHUDYが柔らかめなので良いと思います.

タイヤにテーピングを巻くのはニチバンのテーピングテープの38mmタイプを使いました.

エッジはこんな感じに丸く切ってから貼り付けることで内部でなるべく剥がれづらくしています.これは1/10用のKCスリックタイヤに貼るときもこんな感じの処理をしています.
38mmだと幅がぴったりなのでそのまま貼り付けられます.

タイヤを貼り付けた後はバランスを取っています.
バランス取りをするしないで走りを比較したことは無いですが
燃調取りで空ぶかしをするときのタイヤのブレは圧倒的に少ないです.
なので少しはストレートスピードが伸びる効果があるのかなと…?


バランス取りに必要なものは
・バランス取り治具(ラジコン用品店で購入)
・秤
・クリーニング粘土(仮おもり用)
・釣り具用板おもり
です.板おもりは釣具屋で安く買えます.

自分のバランス取り治具は1/10兼用のものなのでハブに合いません.
なので6角ホイールハブを仮付けします.

それが終わるとバランス取り治具に乗せて適当に回転させます.
毎回同じ場所で止まるようであれば頂点部分が最も軽い部分となるのでそこにマーキングします.


今回は黒ホイールなので白いマーカーが必要でした.
マーキングした部分に適当にクリーニング粘土を貼り付けて、回転させ、止まる部分がランダムになったらクリーニング粘土を外して重量測定をします


このタイヤでは1.57gを貼り付けるとバランスが取れるみたい


板おもりを同じ重さ分切り出して、両面テープマーキングした部分に貼り付けると完成です.
そのあと回転させて止まるところがランダムであれば終了です.
バランス治具の特性的に静的なバランスしか取れないのでモノによっては回転させるとブレるものもあります(右面、左面が対角でズレていると静的に釣り合うが、動的にはブレてしまう)
ただ動バランスがズレてても何もしないよりはマシといった感じです.

今回実際に走らせてみたところ

純正タイヤは15.2秒~15.3秒ペース

これをベースとしてテーピングを貼り付けたタイヤは14.9秒~15.0秒とタイム的には速い感じです.

縦のグリップは強く感じますが、横のグリップは唐突に抜けてしまうフィーリングでドライビングは難しいです.

ベストラップは出るけどアベレージをそろえるのは難しいという感じでした.

ということでレースタイヤはミスなく走り切れるテープなしのタイヤを選択


セッティングとしてはこんな感じです.

フロントのスタビが2.6→2.7mmに変えています.
後使っているオプションはメモ欄に書いています.
アルミの4°ハブキャリアは使って結構長いですがブログは初出ですね.
動きが軽快で1/10ツーリングカー見たいな動きをするので運転しやすいです.
本来のGTのマッタリ感は少なくなるので好みで変えてもいいパーツかなと思います.

予選1回目
なんかパワーが無いな…と思い途中でやめて燃調の為にピットイン…というところでカチン!という嫌な音と共にエンジンが止まりました.
エンジンブローでした

3年ぐらい使い続けているエンジンなので寿命ですね.
とはいえ壊れたタイミングが…

幸いエンジンを借りることができたので2回目の予選に挑めました.
予選2回目はTQタイム!

決勝は1番からスタートです


スタート直後に縁石に乗ったらリアタイヤボディに巻き込んでしまいタイムロス
2位のアダケン選手にパスされてしまいました.
その後アダケン選手のミスに乗じて1位に返り咲き

タイヤを壊さないペースで走っていましたが,ピットイン1分前ぐらいにペースアップしピットでミスしても大丈夫なマージンを築いてピットイン
奥村さんのミスのないピットインで間隔はそのままにピットアウト
そのままタイヤを労わりつつトップゴールとなりました!




マシンセッティングとしてはSRTと大差ないので
別のコースでもよく走るんじゃないかなと思います~

エンジン何とかしないと…


2020年11月3日火曜日

タムタム岐阜月例レースレポート

 

来月は京商チャレンジカップですが所用があり行けないため

10月の月例レースに出ることにしました


今回の参加は3カテです

ピットの上は大変なことになっていました

13.5Tの電動ツーリングはデータロガーでモータの回転数をとったので
これに関しては解析後に改めて記事化したいと思います.


ということで京商チャレンジカップにもあるGPゴムツーリングについて

セッティングとして大きく寄与したのはやはりフロントワンウェイだと思います.
タムタム岐阜はとにかくタイトなコースレイアウトでフロントデフをワンウェイ化しているとコーナーのボトムスピードが高い状態で旋回できます.

デフ仕様はブレーキを強めに掛けて旋回し侵入から立ち上がりまでの速度の変化は大きめ
走行ラインとしてはコンパクトなライン取り
対してワンウェイだと弱めのブレーキをコーナー中盤まで引き摺るイメージです
ライン取りは丸く走らせる感じ

タムタムは速度差を小さくし丸く走らせるほうがタイムが出るようなコースだったので
この走らせ方が合っていた感じです

予選結果




ただやっぱり地元ドライバーが強敵ですね…
プッシュできなかった理由としてはハイサイドで飛びそうで縁石を触れないように走るためペースを抑えていたため

決勝には対策が必要です
しかもコースは南西方向に建物があるので夕方になるとコースが陰ってきます
3時ぐらいの風景

予選まで使っていたタイヤはKCスリックソフトにKAWADAのバクソーを6本スポークホイールに組み合わせていました.
その組み合わせでも飛びそうだったのでタイヤには瞬間接着剤でサイドウォールを補強


6本スポークに瞬着するとかなりシッカリした触り心地です


決勝スタート前の暖機運転ですでに外周コーナーで浮き気味です、、、
そこでプロポのD/Rを100%→80%まで徐々に落としギリギリ飛ばないぐらいに調整しました
インフィールドの切角は足りない感じでしたがこのままスタートです.

接着してタイヤの横剛性が上がったおかげでライントレース性は上がりました.
ハイグリップ路面でタイヤがヨレてないんでしょうね

地元トップドライバーの1人がスパーギアトラブルでレース序盤に離脱
地元もう1人のIさんと一騎打ち状態でレース序盤を消化します.タイム差はずっと1〜2秒でコーナーを1つ挟んでレースが進行している状態でした

瞬着で補強しているとはいえハイグリップ路面でタイヤの接着部が切れることを恐れ2秒以上離されないようにペース的には抑えて走っていました.

15分レースなので7分半ごろにIさんが給油
その次の周に自分も給油
ただピットが終わった後順位は変わらず同じような車間でした.給油してくれたNさんありがとう!

レースも後半戦に入ってくると徐々に路面グリップが落ち着いてきて1周毎に少しづつD/Rを増やしていました
この頃からタイヤも使い切るためにフルプッシュ状態
一時は3秒ほどに広がっていたギャップが1秒を切るぐらいに追い上げられました
ファイナルラップに完全に射程に入りましたがインに飛び込む隙がなくそのままチェッカー


最終的には0.6秒差で2位チェッカーでした.後1周あれば…という悔しい感じですw

ゴール後のD/Rは86%になってました.走行中に状況によってプロポの設定を変えれるのは自分の引き出しになりますね
またレギュレーションが許すのであればサイドウォールの剛性UPは効果的だと分かったレースでした


その他リザルトはタムタム岐阜ブログに掲載されているのでそちらをご確認ください!

2020年10月17日土曜日

モーター考察【進角特性】

 仕事柄モータに携わることが多く

ラジコンモータにも思うところがあり使い方の忘備録として記録したいと思います.

手元にはsmart loggerがあるのでそこから回転数や加速度(トルク)をロギングしてデータを収集します.


このサイズでいろんなデータが収集できるのはやっぱり便利だなと思います.

smartloggerには温度も2チャンネル記録できるのでモータに直接サーミスタを貼り付けて測温も実施します.



貼り付けているのは鉄心となるステータコア部分とコイルエンドの巻線部分です.

測温する理由としては

※日本電産HPより

電力の入力に対して銅損/鉄損/機械損(図中には書かれていないですが磁石損や漂遊負荷損があります)が発生し基本的には熱となります.(一部は音として発生)
モータは80~95%を動力として取り出すことが出来る反面、5~20%は熱に変換されるのでよくある走行後のモータ温度を管理するということに直結しています.

※ANSYS HPより

2か所の測温ポイントを分けた理由としてはモータの動作点によって発熱する部位が異なるからです.
上の図からわかるように低回転&高トルク領域では銅損が支配的です.銅損の正体は銅線に電流が流れることにより発生するジュール熱ですね.
解決するには電流を下げる必要があり,銅線を太くしたり,巻線を並列接続したりします.

対して高回転&低トルク領域では鉄損(コアロス)が支配的です.これはステータコアの鋼板に磁束が流れると渦電流が発生しその電流によりジュール熱が発生するためです.あとはヒステリシス損失も一緒に発生しています.
これを解決するには電磁鋼板の厚みを薄くする必要があります.薄い鋼板ほどコストアップするためROARのレギュレーションで鋼板の厚みが決まっているのもここが理由ですね.


測温に対しては上手くいっていないためまたテスト後に結果をUPしたいと思います.

ファンの裏側の測温をしていますが温度が平衡してしまっています.

ファンによく当たるところで測温したら差がわかるかなぁ…


さて今回は進角特性についてです.

モータに進角を付ける理由としてはコイルが発生する逆起電力が理由となっています.

ロータが回転するとロータの永久磁石により磁束が変動しステータのコイルに逆起電力が発生します.

またコイルにパルス電流を流すと巻線のインダクタンス分の電圧降下も発生します.

バッテリ電圧=モータの逆起電力+インダクタンスによる電圧降下

となる点がモータの最高回転数となります.


よく大きいロータを付けると高回転まで回らないと言いますがこれはロータの磁束影響をより強く受けるためです.逆に小さいロータだと高回転まで回せるもののトルクが低下します.

太いロータ&ローギア

細いロータ&ハイギア

のどちらが効率が良いかというのも後々の記事で明らかにしたいと思います.


これを何とか高回転まで回すためにラジコンでは進角を進める制御をしています.

ハイブリッドカーや電車では弱め界磁制御を取り入れて高回転まで回す制御をしますが恐らくラジコンではやってないと思われます(2017年に東芝から発売された産業用ドローンのESCには採用されているみたい)


ここからは自分のイメージとなりますが

ロータが最もコイルに近づく場所で逆起電力も最大となるので,その前に電流を流すというものが進角の概念です.


トルクベストとなる進角ラインは上の図のようなイメージとなります.
進角とトルクの関係は上に凸の放物線となりそれは電流振幅の等高線となります.
電流によってベスト進角が変化し遅角過ぎても進角過ぎてもトルクは落ちます.

実測結果はこんな感じになりました.

条件としてはブースト進角を50/55/60と変化.機械進角は38°.ターボは0°
モータは京商TROX 13.5T ギア比は6.4.ESCはHW製 XeRUN XR10PRO G2

オレンジのプロットがMAXでほぼ1周目or2周目の記録
ブースト進角が50°→55°までは加速G(≒モータトルク)が上昇傾向ですが55°→60°はほぼ変化がなくサチレートしています.
たいして5分間トータルの加速度でいうと55°が最も高い加速となっています.
理由としては


モータのコイル温度がブースト60°ではかなり上昇しているため
電流が流れなくなったor磁石が可逆減磁しているが考えられ出力が下がり後半のLAPの回転数がかなり下がっています.いわゆる熱ダレ現象ですね.
ブースト55°と60°の回転数のクロスポイントは進角55°の最高温度付近です

50°ではそもそものモータ出力が出ていないので温度が上がっていない
60°では進角が進みすぎてトルクは思ったほど出ていないが電流は要求されるので昇温している
と考えています.

これだけ見ると”ブーストは55°が良いんだ”
となりそうですがまだまだ弄れるパラーメータがたくさんありますね…

ブーストスタート/エンド回転数,ターボ進角,ロータ径,ギア比…etc
書き疲れてきたので次はブーストのスタート/エンド回転数について!



2020年10月15日木曜日

2020 2in1サーキットのセッティング(R4)

 最近はBRCサーキットで京商から発売されているモータのデータ取りをsmart loggerでまとめています.

予測と実測が異なる点がいくつかあるのでまとめ作業が難航していて時間が掛かっています.


なのでひとまず軽めの記事からw


京商地元チャレンジにしらかば2in1があるので参加しようとしています.

本来は先週の10月11日に開催予定でしたが台風のせいで延期に

延期後の日程は11月1日となりました.


ただ天気は回復傾向だったので11日に2in1サーキットに行っていました.


ただ午前中は濃霧で走行できない状況

いろいろあって夕方からの走行となりました.



持ち込みセッティングとしてはR4SⅡの取説セッティング

これに

FTTフロントワンウェイ(内側30万,外側10万)

フロントバルク1.5mm上げ

フロントロング用ダンパーステー

R4 Evo2用メインシャーシ

を変更したものです.

ボディはSCorMR-Sで

タイヤはKCスリックSタイヤにインナーはボンバーレッドで走行


走らせた印象としてはリアグリップが薄くオーバーステア傾向

インフィールドは回り込んでほしいのでちょうどいいですが,外周のRの大きいコーナーでは巻き込んでくるのを恐れてハンドルを切り足せない状況


ということでリアアッパーアームをいつも通りバルクから取ります.


やっぱりゴムタイヤのリアアッパーはここがいいみたい.内側のバルク側には2.5mmのシムを入れています.

ギャップの多いサーキットには短いアッパーアームでキャンバー変化を大きくして唐突な動きをしないようにしたいですが

2in1みたいな撒き物をして路面グリップを上げているサーキットではターンインで不安定な挙動をしやすく向いてないみたい.

カーボンプレートはアッパーアームを付けてないですが取り付けたままにしています.

アッパーアームに力が掛かってバルクを倒してデフの回転を妨げるのを防ぐためです.

コーナリング中の転がり感が増えますよ.


リアグリップが増えると今度はインフィールドの曲がりが物足りなくなります.

そこでフロントスプリングをイエロー→ピンクへ極端に柔らかくしてみました.


コーナーの後半で良い感じに曲がるようになりこの辺のスプリングかなと思っていたら外周コーナーでハイサイド…

ただ走行は夕方5時半で,うっすら霧が出るくらい湿度も上がってました.

こんな路面でレースしないだろうなと思いつつもう少しセッティングを探らないといけないかなと

次走るのはレース前日になりそうですが

上記セッティングにフロントダンパーを3穴→4穴で対応できるかなと妄想してます.



2020年9月19日土曜日

スプリングレートまとめ(EP)

 新しいタグとして”スプリング”を作りました.

外出先でもサッとレートとかを把握するためです.


タグには同じバネレートを書いているのに全く違う動きをしたりして

”このバネはあとで掛かる”とか

”このバネはスッとロールするのでハイサイド路面で使う”とか

眉唾かと思っていましたが走らせてみると確かに違うフィーリング

このあたりも何故だろうと思っていました.そこで荷重‐変位線図と重量から何か言えないかなと

測定としてはこんな感じの測定器を使います

一般的な変位ユニット付きのプッシュプルゲージです.
メーカの測定が間違っているということを言いたい訳ではなく,測定器の機差で結果が変わってしまうので第三者がいろんなメーカのバネを実測することで各種のバネの位置づけを明らかにすることを目的としています.

さっそく実測結果一覧

とりあえず手持ちのスプリングです.
上の表は自分がスプリングを買い足し次第更新していきます.

測定的にはヨコモRPスプリングとXRAYスプリングが比較的公称値と実測値が合っていますね.同じ測定器かな?

さてそれではそれぞれのスプリングの特徴を考察していきます.

京商


公称レートからしたら実測値は比較的高めに出ているスプリングです.
一番柔らかいピンク(実測ではパープルが一番柔らかい)でも2.8なので柔らかいスプリングが必要な際は別のメーカのものを選択する必要があります.

さてピンク/パープル/レッド系列とオレンジ/イエロー/グリーン系列では少しスプリングの毛色が違いますね.
ピンク/パープル/レッド系列は自由長から6mm程度のところに変曲点があるプログレッシブな特性です.むしろ6mmのところまではこの3つのスプリングはほぼ同じ特性でそれ以降パープルのみ少し低い特性となっています.

オレンジ/イエロー/グリーンはほぼリニアな特性となっています.
オレンジとイエローの差をあまり感じないですがほぼ同じなんですね.4~7mmのところでやや低い程度では自分は感じられないみたいです
グリーンはR4をラバータイヤで走らせるときのリアスプリングによく使っています


ヨコモRPシリーズ


ヨコモの値段が高級なRPシリーズですね.たまにRCマニアックスでセールしているのでその際にまとめ買いしていますw
リニアタイプのスプリングはキレイにリニア特性です.
プログレッシブに関しては2.8-3.0の変曲点は約7mm 3.0-3.2の変曲点は約8mmです.
変曲点の前はほぼレートは変わらないですが変曲点の後は大きくレートが変わっています.

ヨコモショートショックⅡシリーズ


このスプリングもプログレッシブな特性を持っていますね
変曲点は約5.5mmのところにあります

SMJ


リニアスプリングは4.5mmのところに変曲点があり
プログレッシブは5.7mm付近で変曲点を迎えていますがそのあとは二次曲線的に増えています.

AXON


AXONのSHはスプリングはキレイにリニア特性です.
たいしてHLSは6.5mm程度に変曲点があります

XRAY


XRAYのスプリングはキレイなリニア特性です.
2.7の1種類しか持ってないので今度追加検証ですね


いろいろスプリングを実測してみてわかりましたが

ラジコンのスプリングはバネ定数だけで判断できないということが分かりました.

掛かるとか潰れるとかっていうのはどの変位で変曲点を迎えるか

ということが重要みたい.


次のステップとしてはこの記事を見ながら走行フィーリングと紐づけかな~