前回は進角について考察を書きましたが
今回はロータ径です.
ステータとロータの径の差(エアギャップ)は基本的には干渉するギリギリまで近づけます.
エアギャップはステータ/ロータ相互に働く磁気吸引力を決定する重要なパラメータで律速としては部品公差や組み立て精度となります.
ただラジコンの場合は以前の記事で書いた通り弱め界磁制御をしていないので
ロータが回転し発生する逆起電力とバッテリ電圧の釣り合いによって上限回転数が決まってしまいます.
ロータ径を小さくすることでロータからの磁束を減らして回転数を上げようという考えだと推測しています.
エアギャップを広げることはトルク定数を下げることとほぼ同意ですが
そもそも加速限界を超えたトルクを出している現在のラジコンカーのモータだとそれよりも最高速の伸びを出せる径を選択しているというところが現状ですかね
京商のTROXモータは現在2種類のロータが出ています
今出ているのは
①5.0x12.3x24.0
②5.0x12.5x24.0
の2種ですね.上記数字の意味は磁石内径x外径x長さの意味のハズ.円弧型の磁石が2つ表面に張り付いています
②のロータのほうが若干磁石量が多いということですね
基本的には①が回転型、②がトルク型で13.5Tだと純正では②が付いてきます.
BRCサーキットでTF7.7にレシオ6.4でロータを交換した結果が下のグラフです
実線がロータ回転数、破線が加速度です.
ロータの図中の最高回転数付近でおよそ70km/hぐらいです.
ローグリップなサーキットだとロータ径を変えたところで発進Gが変わらないということが分かりました.
テストとしては静止状態からスロットル全開にして直線に走らせました.
横Gとかの影響を受けずに純粋な加速力(≒トルク)が分かります.
ロータが太くてトルクが増しているにもかかわらず発進Gが変わらないことはホイールスピンして路面にトルクを伝達できていないということですね
これは路面とタイヤのμが変わると変化するかもしれないのでハイグリップサーキットに出掛けるタイミングでデータを取ってみようと思います.
高回転領域では差が出ていてやはりロータ径が小さいほうが最高速は伸びている様子
では太いロータでハイギアにしてホイールスピンを減らして加速度を出しつつ、最高速もだせるのでは…?
実はこのデータを取る前は頑張ってシャシダイナモを自作して
トルク出力を実測するのが手っ取り早いんじゃないかと思っていました.
ただ発進Gが路面とタイヤのμの律速がある限りダイナモで見るよりも走らせた方が欲しいデータが出てきそうです.
ダイナモ上でこれが最も良い!となっても走らせて速くないと何やってるのかわからなくなりますからね
ひとまずロータ径を変えたときの回転数の差分を吸収できるギア比に変更して
データを実測してどちらが効率よい(≒5分間のタイムが速い)のかを実測してみようと思います.
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