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2023年12月31日日曜日

2023年末のご挨拶と今後の活動について

 実はこのブログで年末のご挨拶は初めてです

ちょっと報告もあり更新してみます


今年もいろいろありましたが

一番大きいのは第一子が生まれたことですね

いろんな人から言われてはいましたが本当に自分の時間が減ることを実感します

もちろん子供の成長を感じるのはそれ以上に楽しいことですが


これから全日本とかに今までと同じ時間と情熱をかけて参加できるかというと難しいところもあり今までサポートしていただいた京商様との契約を2023年末で更新しない方向となりました

2017年からサポートしていただきオンロードのエンジンカーや電動カーのサポートをしていただいていました

全日本での最高位は4位と本意な結果を残すことができなかったことが悔いが残るところですが,活動の内容としては毎年いい思い出で満ちています

中でも思い出に残っているのはOS8耐に京商チームで出たことでしょうか

頑張って準備して報われたのはとてもいい思い出です.

この場を借りて今まで多大なるご支援を賜りましたことお礼申し上げます



さて今後についてはラジコンをやめる訳ではなく時間を作ってラジコンを走らせるつもりです

ZENワンデーレースとかレース活動も引き続きできる範囲で進めようと思っています


今までのラジコンのスタンスが変わったのは子供の誕生ともう一つあり

電子工作の趣味に目覚めたこともあります

2022年に出た全日本が自由に時間を使えるラジコンの最後だろうなと感じていて23年に入ったぐらいから以前から考えていたESC自作の話が動いて来たのもこのころの時期でした.

ESCを作ろうにも元々モーターの回転原理は知っていたものの,電気回路やパワエレの知識,マイコンへのプログラミングの知識は皆無でした.

そこでESC自作の中で新しくできた友人やChatGPTの力お陰で徐々に知識の蓄積をしていっています


最近の過ごし方ですが

7:00 起床 子供の面倒と離乳食を食べさせつつyoutubeでパワエレの勉強

8:30 ~ 19:00 出社

19:00~20:00 子供風呂

21:00~23:00 在宅勤務 

23:00 ~ 24:00 ランニング・シャワー

24:00~27:00 ESCプログラミングの勉強

27:00~7:00 就寝

みたいな生活をしています

睡眠は6時間以上取りたいですが色んなことを並行に進めるには睡眠を犠牲にしてしまっている…

ずっとこの生活をすると体を壊すと思うので回路設計が終わるぐらいには普通に24時ぐらいに寝る生活に戻したいですね

ただだいぶ知識は蓄積してきていてESC以外にもいろんな作りたいものが渋滞している状況ですw


番号が優先度とすると

1.ベクトル制御ESC ( 既に実走テストは実施済み ロジックの開発と回路設計要)



2.デジタルキャンバー・トーゲージ 投稿したポスト (1chは完了 7ch同時測定と筐体の製作が残項目)


3.デジタル車高ゲージver2 以前開発したやつ (計測の分解能上げたい)
4.ギア比チェッカーver2 以前開発したやつ (測り方を変えて車検段取りを減らすシステム)
5.ニードル調整システム(プロポからニードルを操作したい ステッピングモーターでイケそう)
6.アクティブデフ(磁性流体を入れてモーターのローターレベルの外部磁界があればデフ特性が変わること確認済み)

アイデアと達成手法は何となく頭にあるものの時間が圧倒的に足りない!他にも色んな人と立ち話した中であればいいな~っていうデバイスもいくつかある状況


こういった電気と機械が融合したものをラジコン向けに作ってるメーカーってあまりないのでゆくゆくは自分のブランドとして立ち上げられないかな…?なんて考えてたりもしていますがこれはまだまだ先の話


ひとまずこれからラジコンの関わり方は変わっていくと思いますが

来年からもサーキット等で見かけたら是非よろしくお願いします


ではよいお年をお迎えください


2023年11月21日火曜日

モーターESC自作の道①

今回から新シリーズです!

今年の6月に掲載した記事からずっとESCを自作する試みは進めていました.

その途中で車高ゲージを作ったり,レシオチェッカーを作ったり寄り道はしていましたがこれもスキルアップに役立ってました


ESC自作に向けて回路図の書き方と基板CADを習得しつつありESCの形になってきたので新シリーズ化してみっました


開発のドナーになってくれる車両はこちら


TRGHPより

スーパーラジコン秋葉原の某店長氏からお借りしたTRG製のFP2となります
i塚さんご協力大変ありがとうございます!

FP2に至った経緯としては
・シャシー構成がシンプルで床面積が広い → いろんな基板を載せたりするのに好都合
・駆動アクスルがリジット → タイヤを外回しして動作確認するときにデフがないと楽

といったいろんな都合で選択しました

さて今までの開発環境をそのままFP2に移植してみたのがこちら
かなりごちゃついてます これで走行は難しそう…

大電流を流す基板と制御用の基板が分かれているので通信用のハーネスが盛り上がってます
この状態でモーターが回転することは確認済みなので電気的な接続はOK


ZEN製 Z0022 レジェンドCカーボディ MCLタイプ
このボディであればキャビン部分が大きくて基板自体は干渉せずに搭載できました
ただハーネスは収まらないのでやはり通線用の基板を自作する必要がありそう

自作ESCを作る上で基板作成スキルは避けて通れないのでこの際覚えることにしました
使用したCADはフリーソフトであるKiCADです.

今回の回路図

回路図を描くスキルも初心者なので全く洗練されてなくて将来悶絶すること間違いなし
ひとまず必要な接続は記載しているのでできることは
  1. 制御基板であるNucleo-G474RE基板とパワー基板のDRV8302を接続するパターン
  2. モーターのホールセンサー、レシーバーからの信号をNucleoボードに入力するパターン
  3. 将来の拡張を見据えてSmartLoggerとの拡張ポートの予約設計

この時点でIOピンに対してネットを入力するのでここを間違えなければ電気的な接続は間違えることがない
よってユニバーサル基板等で実装するよりミスを大幅に削減できます


ネットリストを元にパターンを作成
表裏の2層基板に対して電源線は1mm,信号線は0.75mmとしました
今回の基板には大電流が流れる部分がないのと,高周波数な信号線や差動信号もないのでかなり簡単な基板です.

GNDのベタパターンを追加してひとまず基板検討は完了
今回はピンヘッダとピンソケットとホールセンサー入力用のJSTのZHコネクタのみの実装

基板手配はPCBGOGOにお願いしてみました
初回手配は送料込みで$1という破格の値段
設計をミスしてしまって2回の手配しましたがそれでも5枚頼んで$44程度でした

ミスった模様はこんな感じ
コンデンサと切り欠き位置を間違って思いっきり干渉してます…
ちなみにこの段階ではSmartLoggerの拡張設計もしてなかったので再手配のついでに実施

再手配したものはバッチリ レジストの色も緑にしてみた
やっぱり緑のほうがパターン見やすいし一般的に使われている理由がよくわかりますね


車載状態はこんな感じ

Nucleo基板をオフセットさせたのでボディと干渉するのでカットが必要そう

動作もひとまず問題なくモーターが回転してくれてます

ハードウェア的にはひとまずこれで完了で
これで断線の心配なく安心して実走テストに進めます


ソフトウェア

今回はmtabeさんからのご紹介で新たに名古屋のお友達ができて
その方に多大なるご協力をいただいてモーターのベクトル制御コードを作成しています

現状では自分で書いたコードはプロポの信号を読み取ってモーターに回転指令を与えるところだけです
このあたりでレシーバーの信号を読み取ってる
僅か数十行のコードですが紆余曲折あり、たどり着くまでに数か月勉強が必要でした…
プロポメーカーが変わったときの補正や、デッドバンドの実装はもうひと工夫必要ですが根幹の部分を学べたのであとは小変更でイケそう


現在のモーター制御コードはPLL制御という制御も実装しており
モーターのケースに装着されているホール素子の位置ズレを補正する機能も実装しています
いわゆる”あたり”モーターが関係ないものになるのである意味イコールコンディションにもなるのかなと
モーターチェッカーのTiming測定のこの画面の数値のズレのことです

今後の実走テストのタイミングで
弱め界磁制御や二相変調制御によるモーター動作域の拡大
回生ブレーキによるバッテリーエネルギーマネジメント
を実装していこうとしています

特にブレーキの難しいDD車なので制御を頑張ることでドラビリを確保できるブレーキを見出すことができればいいなと思います

2023年10月10日火曜日

ギア比チェッカーの開発

 


モーター制御を履修し始めて約半年が経ちました

前作の車高ゲージの開発からプログラミングや電子工作のスキルが向上してきました

新しいスキルを習得するのは楽しいですね~


さてとある方からレシオを測定するツールを安く作れないか?という依頼がありお盆ごろから検討を進めていました

ベースになったツールはこれ
すごく立派なツールですがなかなかのお値段らしく一般化が難しいことが課題のようです
筐体もしっかりしてそうだし真面目に開発して販売台数からしたら妥当なものなのかも…

そこで既存品を活用してコストダウンを考えてみますが,結構ハマったポイントもあったのでブログで紹介します

当初の自分のコンセプトとしては

  1. タイヤ回転数検知は非接触でメカニカルな部品を排してコストダウンする
  2. マイコンはarduino、一般的なLCDに表示させる

1について

ホイールに黒いテープを貼ったり,何かカバーを被せて反射率を変えて検知できると思ってました

このセンサーは反射型フォトセンサーで市販されている回転数計にも似たようなセンサーが搭載されています

写真のセンサーは秋月で1個50円で売られているのでこれで検出できればコストも下がりそう

これでホイールの白と黒の部分の閾値を読み取って黒になった瞬間にカウントを1上げるといったロジックで計算できると思いきや…
確かに読み取りはできるが成功率がかなり低く,実際は500rpm程度で回っているはずが100rpm程度と表示されます

センサーの出力だけでは不安定なのか?とも思いLM358NというアンプICと可変抵抗をユニバーサル基板に搭載してみて反射センサーの信号を増幅してかつデジタル信号にしてみます
閾値は可変抵抗で変えられるといった構造です

これは検知するしないがめちゃくちゃシビアで可変抵抗の角度が少しでもずれると検知しなくなります
環境が安定している屋内でこれなら屋外ユースでは間違いなく成立しないと思い
反射型は断念しました


フォトセンサーを安定して検知できるのはやっぱりこの構成なのかな


結局Amazonで販売されている安いロータリーエンコーダー(2000円程度)で対応しました

ちゃんと筐体を検討して製造できればマウスエンコーダーが適用できて100円程度に圧縮できるがいったん保留


2について

当初は一般的に売ってるarduino + LCDを検討していましたが

いろいろ調べてみたらSwitchScienceが輸入しているM5Stackシリーズという便利なマイコンに出会いました



面倒な配線の実装が不要なだけでなくLCD専用のライブラリのインストールも不要で本当に便利な世の中というものを体現した商品


ということでM5Stackとロータリーエンコーダーを適用したレシオチェッカーという組み合わせでつくったのがこれ


LCDの表示がきれいにできるのでテンション上がりますね

エンコーダーについては不要なホイールレンチをぶった切ったものを市販のカップリングで繋いで接続してます



タイヤ回転数、モーター回転数、ギア比を同時に表示させてます

モーター回転数がどうしてもフラつくので左のボタンを押すと5秒間のレシオの平均値を測定して表示させています.レシオ5.806の車両に対して5.81と表示するのはかなり近いものかなと


ここで終わりにするつもりでしたが

上のM5StackBasicは実売で6000円程度します

車検風景の動画があったので見てみましたが流れ作業でレシオだけ確認していてタイヤの回転数情報とか不要では…?レシオだけ数値がデカデカと表示されればいいのでは?

ということでM5StackBasicから1枚目の写真のようにM5StickCpulsに変更しました

本家サイトが一番安くて3800円で購入できます
これでも6軸IMUとWifiモジュールが入ってます すごい


もはやエンコーダーよりも同等か小さいサイズになったので3Dプリンタで筐体も作ってみました


いろいろ画面のレイアウトいじってみましたがレシオ以外にも表示できそう

本体の”M5”ボタンを押すとモーターの回転数とタイヤの回転数を切り替えて表示できます





動作はこんな感じ

撮影しながらでうまく保持できていないのでギア比がふらふらしちゃってますが

とりあえずちゃんと計測できてそうです

さてプログラム的にハマったところはBasicでもCpulsでもどちらもGPIOポートにモーターに張り付けるホールセンサー信号とロータリーエンコーダー信号を入力しています

最初はDigitalReadで読んでみましたが回転数が数千回転以上では精度よく計測できないことがわかりました

なので割り込み関数を使ってコード作成をしています

どちらも内部プルアップして検知できています

ちなみに使用したホールセンサーはこちら


1個30円のICです

スルーホール部品でリード線をつけるためにピッチ変換基板に無理やりつけて

3Dプリンタで作ったモーター固定治具にグルーガンで封止した構造にしてみました



ここまで構築できたので次のレースでは車検係として運用してみて問題点を洗い出してみようと思います

またギア比縛りレースだけではなく図らずもタイヤ回転数制限のレースでも使えるものになったのでそちらでも様子見できればなと思います


2023年6月1日木曜日

モーターを制御してみたいと考えてみた

車高ゲージの開発の記事からはや2ヶ月ぐらい経ってしまいましたが

 私事ですが4月に第一子が生まれて只今約1か月の育休を取っています.6月1週目から出社再開するのでもうすぐ終わりなんですが…

母子健康に生まれたのですが世の中の男性も育児に!という流れで取れるものは取ってみようという感じで育休取得しました.


色々バタバタしていて2月からラジコンもできていない状況です

今年は全日本に出るのも難しいかな~という感じ…

ラジコンに取り組むスタンスも変える必要があるタイミングなのかもしれませんが,今までのラジコンの成績も納得できているものではないのでやり方を見つけて続けていきたいと思っています.


さて育休中ですが24時間常に育児をしているわけではないです

しかも仕事をしているよりは時間に余裕があるので履修したかったモーター制御について勉強する時間にできました

 ホールICの波形をマイコンで取得しオシロで計測している様子
いよいよオシロスコープも導入してしまった

前回の記事の車高ゲージの開発もプログラミングの勉強も兼ねてということでArduinoに触れてみようということでやっていました.最終的な目標はモーター制御です.


今までのモーターの検証記事の制御方式はラジコンのESCがしている制御とは異なるもので効率や出力には乖離が出てしまっているものです.

世の中のハイブリッドカーやEVカーがしている制御をラジコンのESCにも組み込んでみようというのが今のモチベーションです.


いろんな機能をステップバイステップで実装しようとは考えてますが

最終的にやってみたいことは下の図のような考え

自分の経験したカテゴリーのラジコンカーはブレーキングとステアリングがオーバーラップした操作が必要になっています

タイヤの縦と横グリップを感じながらブレーキを弱めながらステアリングを切り込む…といった操作が必要です.



袖スタ反時計回り時代の左下ヘアピンでのチーヨコN村氏のデータロガーの波形

上段はスロットル(オレンジ)、ステアリング(青)波形
中段はヨー角度
下段は横G
横軸はすべて時間です.

分かりやすいように赤点線のタイミングからからブレーキを弱めてます.

そのタイミングでステアリングは左にほぼ100%フル転舵

ヨーはステアを少し左に切った4.9秒ときに大きく出て,いったんリアグリップが釣り合う5秒時点でほぼゼロに戻り,赤点線以降は二次旋回的な感じでじわじわヨーが出ています

横Gは4.9秒のヨーが出た後少し遅れて5.05秒ぐらいでピークを迎えてその後ヘアピンが終わるまで続きます.


エキスパートドライバーは何を判定して赤点線からブレーキをリリースしているのか?

これについてはまだ解き明かす必要はありますが

Gセンサー、ジャイロセンサーからフィードバックをしてエキスパートドライバーのようなブレーキリリースをできるようになるESCができればいいなと考えています.

今考えている制御ではブレーキ側のトルクも制御できるので

Gやヨーを検知して理想のブレーキリリース量と比較→モーターのブレーキトルクを制御してターンインでの操作を簡単にできないかなと考えています.

ブレーキでの電力自体は回生でバッテリーに戻す制御も併せて実施…みたいな

これができればブレーキの難易度が下がりそう


一足飛びにここまでは出来ないので今の進捗は


とりあえず簡単な制御でモーターを回したり


あとはホールICの信号からローター角度を推定するコードを書いてみたり


ハンドコーディングは全然スキルがなくて勉強中です.元々習得したいスキルだったのでモチベーションは高め

子供が小さくて家を空けるのが難しい間は集中して勉強してみようと思います



2023年3月26日日曜日

車高ゲージの開発

こんなものを作ってみました

最近モーターを制御してみようプロジェクトをひっそりと進めているのですが

自分はコーディングスキルが全くなく,モーターの回る理論がわかってもゲートドライバにどのような信号を与えればよいのか分かっていない状況でした.

もちろん最近はオートコーディングやChatGPTがコード生成してくれる便利な機能がたくさんあります.

ただ基本のキが分かっていないのにそういった便利な道具を使うのは性に合ってないのでarduinoを題材に電子工作でコーディングスキルを磨いてみようという動機から始めてみました.


電子工作で作ってみたいなーと思っていたのはこんな感じのセッティングボード

車高は赤外線センサの非接触のもの
タイヤの下に独立した板を配置してその板はロードセルで支持
この構造でまず車高は置くだけで、しかもボディが付いていても測定できる
かつ4輪荷重を同時に測れていることでコーナーウェイトも測定できる

セッティングボードの前で正座スタイルでツイーク調整で接地荷重を合わせていますがこういうツールでもっと楽にできないかなと
しかもツイーク調整の後,車高がズレたりすることもあるので同時に車高が分かればセッティング工数も減りそう


ただこれをやるには
・arduinoでLCDに結果を表示させるコードの履修
・arduinoでロードセル、測距センサのアナログ値を読み取るコードの履修
・割と精度が求められるセッティングボードの加工
と結構手間がかかりそう

そんな中、京商のチームメイトのK上氏のツイートからヒントをもらいました
なるほど、とりあえず車高だけ測ってみようと

とりあえず簡単なものを作ってみてスキルをあげつつ
最終的な目標の便利デジタルセッティングボードの開発に移るような段階を踏んだ開発にしてみようと思います.


ということでひとまず手持ちのOPTION No.1製の車高ゲージを持っていたのでこれを改造してみます

筐体は3Dプリンタで自作

構造としてはもともと目盛りのついていた左側の高さを可変抵抗で読み取るものとしました.

表示は数字だけでいいと思ったので7セグLEDにしてみます.


7セグLEDを光らせるのにあんまり工数かけたくなかったので
このモジュールを選択
複数桁の配線やダイナミック点灯のコードなど面倒なことをせずに豊富なライブラリとI2C通信で表示させる数字を表示できます.

Githubでライブラリが公開されているのでarduinoIDEにインストールして使用しました.

書いたコードはこんな感じ
可変抵抗はA0ポートに接続してグローバル変数に定義しています.

#include "HT16K33.h"
#include "wire.h"
#include "Arduino.h"
#include "math.h"

///////////////////////////////////////////////
//変数定義
float INPUT_PIN = A0;
float VOLUME;
float Slidedistance;
///////////////////////////////////////////////

HT16K33 seg(0x70);

void setup() {
  // put your setup code here, to run once:
  Serial.begin(115200);   //I2C通信レート定義
  seg.begin();
  seg.displayOn();
  seg.brightness(5);   //7セグLED輝度設定
  seg.displayClear();
  Wire.setClock(100000);

}

void loop() {
  // put your main code here, to run repeatedly:
  VOLUME = analogRead(INPUT_PIN);

  Slidedistance = VOLUME * 0.0194 + 3.0429 - 3.55;  //測定値1mm当たりの可変抵抗変位をCADから算出

  Serial.print("VOLUME: ");
  Serial.println(Slidedistance);


  seg.displayFloat(Slidedistance);

  delay(500); //数値更新頻度

}

このコードでの動作確認はこんな感じ


たった37行で動作するのは楽ちんでいいですね


ただSlidedistanceを定義しているところが苦しい感じ
3Dプリンタをモデリングしたときに測定値1mm当たりの可変抵抗が動く距離を計算してコードの中に入れてみましたが,これだと筐体のガタ等で値がバラついてしまいます.

なのでA1ポートにはタクトスイッチを取り付けているので
5mmの基準高さを測ったときに校正し,相対値として測れるコードにアップデート予定

あと数字がパラパラ変わって見づらいので平均値をとるようなコードに一緒に変更予定


とりあえずちゃんと回路が組みあがって動作したのがうれしいのが今日の記事
電子工作が新しい趣味になりそう



ただやっぱりこの構造だと繰り返し精度に難ありな感じ
やっぱり非接触かな~

2023年3月1日水曜日

しらかば2in1 RallyFestivalレポート ~マスダンパーの開発~

 


今年も真冬の恒例行事にもなっているしらかば2in1主催のスノーラリーに行ってきました!

去年の記事では3Dプリンター製のガルアームサスアームを採用してレースに備えていましたがコロナの影響でレースは開催されず

ただスカイホビーで走らせた結果としては従来の真っすぐなサスアームに対してギャップ走破性はかなり向上していました

でもやっぱりギャップを受け止めきれずストレートではピョコピョコ跳ねてしまいます

これはロマン重視のラリーカーには実車感があんまり出てない動きだし

スピードとしてもストレートで跳ねた瞬間はタイヤが地面から離れてしまうので加速の効率は悪くなってしまいます.

普段通っているZENのF1カーにはバッテリーを可動体としたマスダンパーを装着されたF1が良く走っているのでこれをインスパイアしてラリーカーにもマスダンパー適用を検討してみました

詳細については”すだぴょん”氏に動画にしてもらいました!
23年3月1日時点で再生回数が1万回を超える動画になりすだぴょん氏にも褒められてしまいましたw


構造としては動画にある通りなんですがアッパーデッキ上に平行リンクを組んで,スプリングで支える構造としました

ただスプリングを付けるだけではマウントしづらいのでダンパーケースを使ってマウントする構造を取りました


製作は割と手間がかかっていて,リンクはボールエンドと板厚2mmのカーボンプレート

バッテリーは板厚0.8mmのカーボンプレートで作っています

手間がかかることは目に見えているので前もって可動範囲やバネレートは事前に検討してから製作に移りました


先ずはマスダンパーとはどのように考えるか、ですが

wikipediaには動吸振器の項で記事になっています

いろんな数式が書いていますが根底の理論としては

”車体を持ち上げる(落下する)力と反対方向の力を掛けて振動を防ぐ”

というものとなります.

このことを念頭に置いておけば数式が示す意味も理解しやすくなります



マスダンパーオモリ変位量:Xa[mm]
車体変位量:Xm[mm]
車体加振力:f(t)[N]
マスダンパーバネレート:ka[N/mm]
車体バネレート:km[N/mm]
車体ダンピング:ζm[N・m/s]
上記のようにラジコンカーを簡単な形状にモデリングします
難しい言葉で書くと2自由度強制振動系となります
先ほど青字で書いたことを上図でいうとf(t)と釣り合う力をmaを用いて出すという考えです

(t)とか出てくると何のこと!?となってしまいますが時間の関数なのでエクセルで0sec,0.001sec,0.002secといったようにオートフィルしていけば計算できるので身構えなくても大丈夫です

今回走らせる想定の路面をモデル化しました
これを計算すると18Hzのsin波となります.1秒進む間に18山のギャップを踏むイメージですね.これは過去の動画を見ながらギャップの数を数えたら多くともこんな感じでした

20mmというのは正直エイヤと出しました.タイヤの1/3の径より大きいと超えられないと聞いたこともあるし,今のラリーカーの車高は20mm程度なのでひとまずこの値で置いています

さてwikiの記事によるとマスダンパーの固有振動数(ωa)と路面の周波数(Ω)が同じときに逆位相でマスダンパーが動くと記載されています

マスダンパーの固有振動数は
この数式で示せる
電卓でもできますね.maは1Sサイズリポバッテリーの150gでその時,ωa=Ωが成り立つkaは1.8N/mmとなります.普段使うスプリングの柔らかいもので代用できそうです

kaを求めたらxa(車体の変位)がゼロとなる変数を下記式を使って求めてみます


前述のようにtの関数となるのでエクセルのオートフィルを用いて計算します.
計算結果は下記グラフのようになりました

マスダンパーのストロークと支えるバネレートを求めました
今回の1Sサイズバッテリーは150gなので必要なストローク量は約3mm,スプリングレートは1.8N/mmとなります.

グラフにある通りマスが小さいと長いストロークで柔らかいスプリング
マスが重いと短いストロークで固いスプリングになるので
じゃあ20gぐらいのオモリを20mmぐらい動かした方が簡易な構造でいいじゃん!となりますが新たな指標として質量比を考慮する必要があります
マスダンパー重量から車重で割った質量比μの関係は下記図になります

wikipediaより
今回はバッテリー150gに対して車重は1350g (総重量は1500g)なので質量比μは0.11
上図でいうと赤プロットに近いところになります
X軸に注目するとΩ/ωa=1の時振動を完全に消失でき同調状態になります.ただΩ/ωa=1の両隣に進むと振幅であるY軸が大きくなってしまう

そして質量比が大きいほど振幅の上昇度合いが少ないので,大きい値をとる方がロバスト性が高いと言えます 

Ωは正直写真からカウントした数になるので毎度同条件になるとは限らないので,ある程度の範囲でマスダンパーが機能するようにしておくのが重要です

参考までに減衰を付与するとさらに安定度が高くなる
今回のスノーラリーの期間中に減衰まで弄る時間がありませんでしたが,腰を据えてやるならこのアプローチもありですね


実際に走行させてみた
スノーラリーではインナーボディを付けるので車載映像は取れず
オフロードコースではアクションカメラが汚れそうだったので近所のスピードバンプで試してみました

動作は問題なくしてますね.効果は…まぁ…あるんでしょう.アクションカメラの手振れ補正が半端ないのでマスダンパー有り無しでも差がわからなさそう



さてスノーラリーの結果としてはミニレースが行われ
すだ氏の動画にもありますがレース2で優勝しました!
頑張って作ったラジコンがよく走ると楽しいですね


さてこのマスダンパー検証
本来の目的はオンロードツーリングカーへの応用が主目的でした
ラリーみたいなギャップが激しいカテゴリーで効果検証ができればよりギャップの低いオンロードだと効果は見込めるだろうと

全日本のあるグリーンパークではギャップ対策に苦労した面もあるのでこの辺りも応用できないかと目論んでいました

ギャップ高さ5mmでのシミュレーション結果

質量比をどのくらい置くか,減衰はどうするか?
そもそもオンロードの路面のギャップってどの程度なのか?すべて妄想ですが40gぐらい積んで0.5N/mmのスプリングで支え,2mm動くギミックがあればとりあえず効果検証は出来そう