タイトルにある通り久々のモータネタです.
去年の年末ぐらいからいくつかモータの記事を書いていました
上記リンクでは発熱の根源である損失そのものをベスト進角で走らせたりして効率よく走らせようと考察していました
今回はそこには踏み込まず一番冷える冷却方法は何だろう?というアプローチでいろいろ試してみました.
EPツーリングカーではモータの冷却を30角や40角の軸流ファンで冷却していますね.
大体こんな感じ
先ずファンの設置についてはこのサイトを参考にしてみました
内容を要約してみると
①冷却の方法は吹き付けと吐き出しがある
②ファンの上流もしくは下流に抵抗となるものがあると流量が低下する
③やむを得ず狭い場所に設置する場合は導風板で風向きを変える
上流側にはメカ類があり抵抗になり上手く空気が吸えていない…?
赤矢印の跳ね返っている風も冷却に寄与しない風で無駄になっているかなと
ということで先ず設計の指針として
オレンジ色の囲いがシュラウド
完全に妄想ですがこんな感じでモータを囲うようにファンの風を流せば無駄なく冷却に使える…?
これは一例ですが40角ファンのシュラウドを3Dプリンタを使って自作してみました.
TF7のアッパーデッキと干渉しないようにギリギリに専用設計できて楽しいです.
3Dプリンタ特有の設計制約はあるものの比較的どんな形も作れる上,肉厚は0.5mm程度で作っているのでシュラウド単体は3g程度と軽量に仕上げられます.
さて実測結果です
測温はすべてsmartloggerを使っています.
1枚目の写真のように一番風が当たらない部分にサーミスタを貼り付けて測温しました.
生データ
各種のデータはこんな感じで時系列で取得しました.
トレンドはほとんど同じっぽいので最高到達温度で比較できそうです
写真付きの棒グラフで比較です.
40角ファンをそのまま搭載データをベースに
左から2番目の簡易シュラウド(カイダック板を折り曲げただけ)、左から4番目の3Dプリンタシュラウドはかえって温度が上がる結果となりました.
左から3番目の市販されている3Dプリンタ製(MR33製)はΔ3.8℃の効果ありみたいです.
簡易シュラウドではシーリングが甘くて空気が漏れているようで効果はほぼなし
自作3Dプリンタのものは排出の抵抗が高くて空気が抜けずむしろ悪化してしまったんでしょう、、
市販品はよく考えられているんだなと分かった結果でした
昨今のMIDモータのシャシーでは40角ファンを1個しか搭載できない場合が多いので
このファンを使うのがよさそうですね
TF7.7やIF14はリアモータなのでファンを2つ搭載できます.
ファン2個の結果は図の右側の2つのデータです.
一番右は30角で吸気し40角で排気
右から2つ目は40角で吸気し30角で排気
というレイアウトです.
右から2番目のファンを2個つけたところで40角ファン1個よりも冷えない結果というのも面白いですね
排気よりも吸入が上回ると冷えないということでしょう
そして今回最も効果があったのは30角で吸気し40角で排気するという方法でした.
10℃近く冷えるのはすごいですね
この方法にしてからはブーストやターボを変えてもモータの温度が上がらなくなったので納得の性能です.
スペースがあるので手前の30角は少し上向きの角度を付けてみました
左リアタイヤに40角の冷気が直撃するので走行に影響するかなと思いましたが
特にスピンする等の変化はありませんでした.
真冬だとタイヤの影響はどうなるかわからないですが,その時は40角1個にすればよいと思います.
回転数のサマリーデータ
青プロットが40角ファン1個のシュラウドなし
ミドリのプロットが30角吸気の40角排気です.
11周目から僅かに最高回転数が出なくなってきています.この辺りはパワーの熱ダレ感軽減されているのがデータに表れていますね
最も冷える方法を見つけたところでゆっくりロータ径やギア比、ブーストターボの検証をしてみようと思います.
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