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2021年4月22日木曜日

ARTSの学習

 ARSだったり、RTCだったりメーカーによって名称がバラバラですが

京商車の場合はARTSと言うみたいです.

ストロークさせたときにリアトーを変化させてコーナリングの挙動を変える機構ですね

今まであまり興味なかったんですがスピキンで袖ヶ浦スタジアムを走らせたときに使っている車両も多く使ってみたいと思い始めました.
特にタイトターンで素早く向きが分かっているような動きをしていてスロットルオンの時間を長くできてタイムアップに有効じゃないかと思いました

上の画像のように取扱説明書にあるような組み立て方を実践してみるのも良いですが
いろんな場所にボールスタッドを取り付けられるのでいろいろ実験してみます.

ボールスタッドといえばAMRから便利な商品が最近発売されました!

こんな感じで使います
今までボールエンドを組み立てるのは手が痛くなるのであまり好きじゃありませんでした
このツールを使うと全く苦痛にならず素早く組み立てられますよ!
ボックスレンチとのはめ合いもいい感じで簡単に外れないので電動ツールと併用するとさらに早く組み立てられそうです!
値段もリーズナブルで場所も取らないので工具箱のお供にぜひ!

さて
今後のことを考えると組み換えが大変なのでCADでサスアームを作図してみました!
実際にASSY部品たちがストロークした時にトー変化した時はちょっと感動しましたw

TF7.7の標準位置で動かしたときのトー変化は下のグラフ
車高変化が縦軸、トー変化が横軸です
最大トー変化よりもトー変化の仕方を把握したかったのでこういう図を作ってみましたが,ラジコンのサスストロークだと変化は線形でした、COS波みたいになると思ってたんですけどね、、

トー変化中のトー角の実測方法

車高ゲージを使いながら細かく車高を変えていっても上の線図と同じ結果が得られました.
ただ注意点としてはボールエンドのガタ分は寄せた上では一致したという点です.


トー変化でいうと伸び側ではトーアウトにならず1G状態から車高が変わるときにはトーイン側に変化するのが運転しやすいのかなと思っていました.
そんな仮説の中でどういうトーコントロールロッドの長さが良いのか?と考えた時
ロアアーム長>アッパーアーム長>トーコントロールロッド長
となる組み合わせで上記トー変化が再現できるかなと
実際に組み立てたのはこんな感じ

トーコントロールロッドはめっちゃ短くなりました



標準位置ではスペーサ量を調整したという仮定でフルバンプで1度のトー変化を想定しています.トー変化量は大体このあたりみたいなので
短いトーコントロールロッドは狙い通りバンプ側はほぼ同じトー変化量ですが、リバウンド側はトーアウト側に振れないようになりました.

実際に搭載した写真があるということは実走したということですが
走らせたフィーリングとしてはリアステアがかなり強い印象です.
高速コーナーの踏ん張り感はちゃんとあるし、向きは早く変わりますが,向きの変わり方が気持ち悪く、フォークリフトみたいなリア操舵の車両みたいな動きをしました.
非線形なトー変化をすると気持ち悪い向きの変わり方をするんじゃないかなというのが自分の中の結論です


いろいろ試しているなかでBRCの常連さんの意見で
サスマウントから取るとシャシーロールで捻じれるので影響受けないバルクからトーコントロールロッドを取るほうがいいのでは?とあり、納得の意見だったので採用となりました.

現地でバルクヘッドまで分解して、ホロービスを植えて、ボールスタッドを付けるという結構な手間でしたが走らせたフィーリングとしては上々でした

取り付けはこんな感じ
注意点としてはナックルは左右反対で取り付けて、ナックル側のボールエンドは写真のように上側に取り付けています.バルク側には特にスペーサは入れてないです.
TF7のナックルはアクスル軸に対して上下対象じゃない形状を利用して左右反対とすることでトーコントロールロッドの調整幅を増やしました.

またボールスタッドは可動範囲の広さと取り付け部の薄さも鑑みてこれを使っています

上々なフィーリングと述べましたが具体的には
ターンインは気持ち悪さが無い程度に素早く向きが変わり、スロットルオンでは確実にリアがグリップして安心して立ち上がれます
単独の低速コーナーでは素早く向きが変わりますが、コースレイアウトの都合からターンインからすでにロールしているコーナーは単独のコーナーよりも少し曲がりが弱くなります.
トー変化がすでに終了しているからというのが理由でしょう
この辺りはドライビングに少し慣れが必要そうです.

タイトコーナーが多い今のレイアウトのBRCではノーマル足からこのバルクから取るATRSでベストラップは0.1秒のタイム更新となりました.


バルクから取ることを基本としてトー変化量を算出しなおしました
スペーサはナックルの上に置く想定です
5mmフルバンプ時の最大トー変化をスペーサ量で整理

0.5mm入れる入れないでかなり動きが変わったのでこの辺りは良いところでやめないと沼ですね、、

先週末にようやく初めてATRS使ってまともに走れるようになったので今後もいろいろ試す必要がありそうです












2021年4月20日火曜日

ストックモータの冷却方法

タイトルにある通り久々のモータネタです.

 去年の年末ぐらいからいくつかモータの記事を書いていました

進角についてとか

ロータ径とか

チタンロータとか

上記リンクでは発熱の根源である損失そのものをベスト進角で走らせたりして効率よく走らせようと考察していました

今回はそこには踏み込まず一番冷える冷却方法は何だろう?というアプローチでいろいろ試してみました.

EPツーリングカーではモータの冷却を30角や40角の軸流ファンで冷却していますね.

大体こんな感じ

このファンのレイアウトを変えてみたりシュラウドを付けたりして,どのパターンが効率よく冷却できるかいろんなパターンを試してみます.

先ずファンの設置についてはこのサイトを参考にしてみました
内容を要約してみると
①冷却の方法は吹き付けと吐き出しがある
②ファンの上流もしくは下流に抵抗となるものがあると流量が低下する
③やむを得ず狭い場所に設置する場合は導風板で風向きを変える

なんとなく想像ですが吹き付けで冷却するときの風の流れはこんな感じかなと
上流側にはメカ類があり抵抗になり上手く空気が吸えていない…?
赤矢印の跳ね返っている風も冷却に寄与しない風で無駄になっているかなと

ということで先ず設計の指針として
オレンジ色の囲いがシュラウド
完全に妄想ですがこんな感じでモータを囲うようにファンの風を流せば無駄なく冷却に使える…?



これは一例ですが40角ファンのシュラウドを3Dプリンタを使って自作してみました.
TF7のアッパーデッキと干渉しないようにギリギリに専用設計できて楽しいです.
3Dプリンタ特有の設計制約はあるものの比較的どんな形も作れる上,肉厚は0.5mm程度で作っているのでシュラウド単体は3g程度と軽量に仕上げられます.


さて実測結果です

測温はすべてsmartloggerを使っています.

1枚目の写真のように一番風が当たらない部分にサーミスタを貼り付けて測温しました.

生データ
各種のデータはこんな感じで時系列で取得しました.
トレンドはほとんど同じっぽいので最高到達温度で比較できそうです

写真付きの棒グラフで比較です.
40角ファンをそのまま搭載データをベースに
左から2番目の簡易シュラウド(カイダック板を折り曲げただけ)、左から4番目の3Dプリンタシュラウドはかえって温度が上がる結果となりました.
左から3番目の市販されている3Dプリンタ製(MR33製)はΔ3.8℃の効果ありみたいです.

簡易シュラウドではシーリングが甘くて空気が漏れているようで効果はほぼなし
自作3Dプリンタのものは排出の抵抗が高くて空気が抜けずむしろ悪化してしまったんでしょう、、
市販品はよく考えられているんだなと分かった結果でした

昨今のMIDモータのシャシーでは40角ファンを1個しか搭載できない場合が多いので
このファンを使うのがよさそうですね

TF7.7やIF14はリアモータなのでファンを2つ搭載できます.
ファン2個の結果は図の右側の2つのデータです.
一番右は30角で吸気し40角で排気
右から2つ目は40角で吸気し30角で排気
というレイアウトです.

右から2番目のファンを2個つけたところで40角ファン1個よりも冷えない結果というのも面白いですね
排気よりも吸入が上回ると冷えないということでしょう

そして今回最も効果があったのは30角で吸気し40角で排気するという方法でした.
10℃近く冷えるのはすごいですね
この方法にしてからはブーストやターボを変えてもモータの温度が上がらなくなったので納得の性能です.


スペースがあるので手前の30角は少し上向きの角度を付けてみました

左リアタイヤに40角の冷気が直撃するので走行に影響するかなと思いましたが
特にスピンする等の変化はありませんでした.
真冬だとタイヤの影響はどうなるかわからないですが,その時は40角1個にすればよいと思います.

回転数のサマリーデータ
青プロットが40角ファン1個のシュラウドなし
ミドリのプロットが30角吸気の40角排気です.
11周目から僅かに最高回転数が出なくなってきています.この辺りはパワーの熱ダレ感軽減されているのがデータに表れていますね


最も冷える方法を見つけたところでゆっくりロータ径やギア比、ブーストターボの検証をしてみようと思います.

2021年4月1日木曜日

スピキン2021開幕戦レースレポート

 


タイトルの通りオーガナイザーの遠藤さんのご厚意等いろいろありスピキンに初出場してきました.

スピキンは初参加でレースの雰囲気が分からずピリピリしているのかな?と出るのをためらっていましたが

出てしまえば和気あいあいの中でもレースは真剣に取り組むという雰囲気でとても心地のいいものでした.

また新設のスーパーストッククラスはレース初心者の方でも参加できるような取り決めがされており初心者が上級者の走りを観察できてステップアップにも良いのかなと思いました.


舞台は袖ヶ浦スタジアムです.名前はよく聞くものの初めて行きました.

コースはフラットで管理も行き届いていてとても良いコースだと思います.

走らせてもコースの左右で性格が違うレイアウトで攻略が難しいコースでした


写真は土曜日の朝のもので、快晴だったものの翌日は午後から雨予報、、

ということで前日から車検の一部が始まったり、タイムスケジュールも朝早くにシフトしたりとレース運営も柔軟に対応されていました

コロナの感染対策もしつつ天候に対しても対応できるレース運営は本当にすごいなと思い主催者等々に感謝です.


さてここからレースレポートです.

上でも少し触れていますが前日入りしてコース慣れやセッティングをしていました.

とにかく攻めがいのあるコースでレイアウトの奥が深いです.

縁石もあまり出っ張ってないように見えますが,踏んでしまうと結構タイムロスするし乗せ方によっては転倒してしまいます.

かといって縁石に寄せないとワイドなラインになってしまってコーナーとコーナーが繋がりが悪くタイムが出ないレイアウトになっています

切り返しの多いレイアウトなので切り返し1つ目でちゃんと寄せておかないと2つ目以降が苦しくなりますからね


京商カップの特設コースで鍛えられたコース慣れの早さにはちょっと自信がありましたが

ちゃんと走れるようになるには3パックほど、更には5分間転ばずに走るには翌朝の練習までかかるという状況でした.

ここまでコース慣れに時間を要したのには理由があり,タイヤの使い方を理解するのに時間が掛かってしまったというのもあります.


コントロールタイヤのRUSHプリマウント32を使ったのは前の週にBRCサーキットで走らせたのみ

路面も初めて走る路面と分からない要素が多い状況でした.


持ち込んだ状態ではコーナー侵入ではアンダーステア,ステアリングを切り込んでいくとオーバーステアになるという気難しい特性になってしまっていました。。。

安心してステア操作できず,気を抜くとイン側に切り込んで切るので縁石に乗せないように緊張しながら走る状況でした.



上のグラフは時系列別のアベレージラップです.赤プロットはその走行で出したベストラップ

ベストラップは走行を重ねるごとにやや速くなっていくもののアベレージラップはほとんど横ばいでやや速くなるという状況.

平たく言うと迷走しているということですね汗

地元の人たちは夕方の走行で16.6秒とかを出しているのでベストラップだけでも0.4秒落ちのタイムしか出せていないというかなりピンチな状況


そんな中でもセッティングの方向性が正解かなと思ったのは上の図の吹き出しに書いている2つの項目

フロントサスアームを1段階ショート化することでコーナー進入時のアンダーステアの低減で一貫したステア特性の確保


今回最も影響があったのはリアデフでした.

柔らかいほうがいいんだろうなと思っていて自分の手持ちで最も柔らかい番手の7000番を少な目(1.1g)に入れることで柔らかいデフを持ち込んでいました.

上記迷走の中で同じ京商の穴原氏にデフオイルを少し分けてもらい3000番のデフを新しく製作

3000番で作ったデフのほうが進入ではキレイにリアが抜けてタイトターンでの動きがかなり良くなりました.ここでタイムがようやく17秒台前半を刻めるようになりタイムに影響するほどの効果でした

少ないオイル量のデフだと差動の初めと終わりで効き方の変化量が大きくてあまりよくないというのがここからの収穫です


ここまでやって初日は時間切れ

F1の予選をみつつ深夜までメンテするほどカツカツになってました笑

翌朝は朝4時半にコースに着き、5時半頃に走らせるというすごいタイムスケジュールで走ってました.

メンテしたTF7はコース慣れも相まって17.1秒のペースで走れるいい感じ
5分間もノーミスでまとめられるようになり、やっとレースが出来そう!という状況で予選に備えます.

Q1結果
全てのリザルトはこのリンクから確認が出来ます

転ばないように”置いて”走ったものの前日練習で出した5分周回タイムとほぼ同等
全体では20番手ほどのタイムです。。。

予選で使ったタイヤが練習日に使っていたタイヤとのグリップ感の差があり思ったペースが出せませんでした.これでも朝の練習走行で良いと思ったタイヤだったんですが5分間攻め込むとやはり違いますね、、、

Q2は雨がパラついてきてすごくスリッピーに
ただTQを取った村井氏も同じヒートだったのでもう何も言い訳できない状況

全てのクラスで予選2回終了後降雨となり2回の合計の順位で最終リザルトとなりました.
私の順位は総合で21番手と全日本以来の惨敗となってしまいました.
タイヤが練習の時と違うという同じ理由、、

とはいえほかの参加者もそこは同一条件で速い人はタイヤが違っても速いままなので何か使い方があるんでしょう、、


あまりにも悔しいので翌日は有給だったのでBRCで3時間だけ走らせてきましたw


先ずは片付けの時に濡れてしまった電子機器たちの乾燥からスタート

いろいろと思うところを変えてみてテストしてみました.
もっとタイヤに荷重を掛けた方がいいのか?とかとか
やることなすこと変化なしだったのがダメ元でリアキャンバーを2度から3度にしてみました.
これが今までイマイチだったグリップが横方向はもちろん、縦方向にもちゃんとグリップしはじめました.
タイヤのトレッド面を使うのか,エッジ面を使うのかというタイヤのキャラクターそもそもをちゃんと捉えられてなかったんですね

イニシャル状態は3度

ただバンプさせると3.5度ぐらいに

ロール方向に動かしてみると0.8度に
ステアリングを切り増せないと感じたのでロールしている状態でのリアグリップが足りてなかったんでしょう
そこをロール時の対地キャンバを増やすことで横力を増やしてリアの安心感が増えたのかなと

その日はこれで時間切れだったのでイニシャルキャンバはもちろん、キャンバ変化量等もいろいろ弄ってみようと思います.

あーもっと早く気づいていれば、、たられば、、