今年はEPT OPENの全日本も出るので2回目の全日本となります.
今回の全日本は自分のやり方でしっかり準備をして自分の実力を出せればと思っています.
ちょっと遅いですが先週末からグリーンパークに通い始めたので先ずは今年からレギュレーションが変わったモータについて解析してみます.
流れとしては以前の記事の21.5Tを解析したものと同じです.
モータはHOBBYWING XERUN-V10 G4を購入しました
当初はチタンロータがいいのかな?と思いロータ交換をするついでにいろいろ寸法も測ります.
モータ諸元解析
今回G4に変わって見た目に特徴的なのはケースの外径がステータの外径とほとんど同等になったこと見た目にスッキリしていていいなと思いましたがどうやって同軸を出しているんだろうとも疑問に思っていました.
ボルトの穴部分も磁束が回っていることがわかるのでこの部分は鉄ネジを使った方がよさそうです.
このままの状態では最大トルクの差も出ましたがネジの材質を気にしていれば問題ないかなと思います.
冷却方法の把握
以前の記事でファンのレイアウトとダクトを検討していました.
当時は角30mmのファンで吸気し角40mmのファンで排気するのが最も冷却効率の良い方法でした
今回はファンの積み方を変えていて角40mmを2個掛けしています.レイアウトはそのうち写真UPしますね
この角40mmファンも吸気排気にした方がいいのか?それともどちらも風を当てた方がいいのか?これを最初に検証しました.
結果は大差です
ファンの搭載レイアウトを変えたことで流れ方が変化しどちらも風を当てる方向にした方が圧倒的に冷えることがわかります.約30℃差はかなり大きいと思います.消費電流もSmartLoggerを使えば簡単に求められます.結果は
Fr_吸気/Rr_排気の場合は2.46A
Fr_吸気/Rr_排気の場合は1.45A
よく冷える方が消費電流も少ないです.いいことづくめですね.
排気側ファンがうまく吸えずにファンに負荷がかかり,温度も冷えないということでしょう.
最も効率がいい冷却方法を見つけたところでギア比やロータを変えてデータを取ります.
効率マップと動作点解析
今回最もやりたかった解析と実走データを重ね合わせてみます
30820417ロータ(12.2 チタン) ギア比5.13
最初はギア比5.6ぐらいから走らせ始めましたが効率マップはすでに検討済みだったのでSmartLoggerで回転数を睨みつつギア比5.13に落ち着きました.解析で求めた効率マップに青プロットの実走データを重ね合わせています.
概ね効率70%以上のところで走っていますが低回転高トルク域でやや効率が落ちています.
低いところでは効率は50%台に落ちてしまっていますね.径の小さいロータでかつシャフトがチタンということもありトルクを出すために電流を吐いてしまい銅損が悪化したのかと思われます.
30820444(12.5鉄シャフト純正) ギア比4.98
30820444(12.5鉄シャフト純正) ギア比4.6
※出力アウトラインから実走プロットがはみ出しています.今のところ原因不明…グリーンパーク特有の下り坂が原因か
ほとんど丸一日ギア比を変えたりロータを変えたりした結果, 思いのほかよかったのが鉄シャフトのロータ
鉄シャフトだとシャフトに渦電流が発生
→ロータシャフトが加熱
→マグネットが加熱してしまい磁力が低下し出力低下
となりますが,今回の場合はそれよりも動作点を低回転側に移動しそもそも渦電流を低減させたことのメリットの方が大きい模様
チタンシャフトを使った時のように低回転高トルク領域の非効率部分を使わずに走れています.
ギア比4.98では少し回しすぎで4.6は低回転の非効率部分に足を突っ込んでいるので間ぐらいに解がありそうですね
実走時の昇温データ
青プロットの鉄シャフトギア比4.98は途中でボディを巻き込んで走行中断オレンジプロットの鉄シャフトギア比4.6は200秒過ぎでクラッシュしてしまい走行を止めています
そこまでのデータを見ても鉄シャフトのほうが温度が低くなっています
ただテスト時間が15~16時半頃と外気温変化が激しい時間帯なのでこの辺りは追加検証が必要そうです.
ただ鉄シャフトのデータは結構取れたので次はチタンシャフトのデータの拡充をしてみようと思います.
走らせたフィーリングとしても鉄シャフトのハイギア方向のほうが走らせやすくていい意味でパワフルなのでスロットルを「探れる」フィーリングでした
チタンシャフトはトルクのスカスカ感がありどうしてもガバ握りしてしまいモータやタイヤを保たせにくい感じです.
次回の宿題項目
モータ温度/電圧/電流のデータ
赤がチタンシャフトギア比5.13/グレーが鉄シャフトギア比4.6
4行目は電流のロガーデータ